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<四畳半タイムマシンブルース>まさしく“悪魔的融合”配信限定エピソード込みで「無限ループ」不可避

2022/10/14 12:01

「四畳半タイムマシンブルース」配信限定エピソードより
「四畳半タイムマシンブルース」配信限定エピソードより(C)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会

作家・森見登美彦の小説「四畳半神話大系」と、ヨーロッパ企画の代表・上田誠の戯曲「サマータイムマシン・ブルース」が“悪魔的融合”を遂げて誕生した「四畳半タイムマシンブルース」。そのアニメ版の最終話となる第5話が、10月12日に配信された。第5話が終わったところで感じたのは、まさしく“悪魔的融合”を遂げた作品だったということだった。もちろん、いい意味で。(以下、ネタバレを含みます)

「四畳半タイムマシンブルース」のストーリーは…

「四畳半タイムマシンブルース」より
「四畳半タイムマシンブルース」より(C)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会


京都・左京区のオンボロアパート・下鴨幽水荘が舞台で、主人公はバラ色のキャンパスライフを夢見ていた「私」、悪友の小津、そして黒髪の乙女・明石さん。12年の年月を超えて、「四畳半神話大系」の世界が記憶の中で鮮やかによみがえる。そこに、「サマータイムマシンブルース」のストーリーが乗っかってくる。

オリジナルは、とある大学のSF研究会の部室を舞台に、突如現れたタイムマシンを使って、壊れたクーラーのリモコンを“昨日”に行って取り戻すために奔走する物語。“タイムマシン”を使う、あるいは“タイムリープ”する作品で戒律のような形で禁じられているのが、“歴史を変えてしまう”こと。この物語でも、過去を変えてしまうことで現在が、もっと言えば“世界”が消滅してしまうのではないかと危惧し、必死で辻褄を合わせようと努力する。それでもやっぱりいるんです。そんなことを気にしない自由奔放なキャラが。この作品の場合、自由なキャラの方が多過ぎて、歴史修正は「私」と明石さんの2人にかかっているような感じに。

“昨日”と“今日”のキャラクターたちが入り混じり、混乱を極める中で、99年前に行ってしまって“伝説”を作った人物もいる。第5話は、そんなカオスな物語の帰結点となるわけだが、これが結構複雑で、理解するのに時間を要した。

一つは、この騒動のきっかけとなったクーラーのリモコンの行方。“昨日”、小津が飲み物をこぼしてダメになってしまったクーラーを、“今日”から“昨日”へとタイムスリップしてダメになる前のリモコンを救出したが、過去を変えると世界が消滅するので“昨日”へと戻そうとする。

無事戻せたと思ったら、それを羽貫さんが持ち出してしまい、“今日”ではない何処かへ。その経緯は第5話で年表のようにして「私」が説明しているので、ぜひそれを確認してもらいたい。今日を起点に、99年前に行ったり、25年後に行ったり、一番のタイムトラベラーは“リモコン”だった。明石さんがポツリと言った通り、“時をかけるリモコン”である。125年にわたるリモコンの生涯(?)は壮絶なもの。

第5話では、もう一つおかしな現象が起きている。それは、“昨日”に行った「私」が、タイムマシンを使わずに“今日”に自力で戻ってきたこと。実はずっと押し入れにいて、209号室で昨日起こったことを全て目撃して、そのまま今日になったということだが、そんなふうにして昨日から今日へと移動することは、時間の流れに身を任せたわけなので普通と言えば普通だが、瞬時には理解しづらい現象だった。

もう一つ、すっかりなじんでしまっているが、田村くんは25年後の世界からタイムマシンでやってきた未来人。未来の下鴨幽水荘に住んでるという、単なる“後輩”かと思っていたら、彼のカバンの中から出てきた“もちぐま”によって正体が明らかになった。

時空を超えたドタバタ劇が“完結”

「四畳半タイムマシンブルース」配信限定エピソードより
「四畳半タイムマシンブルース」配信限定エピソードより(C)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会


第5話の冒頭で、「私」が明石さんと最初に出会った時の回想シーンが流れたが、それが伏線になっていたとは。“もちぐま”は明石さんのお気に入りのキャラということで、田村くんは明石さんの息子。それを知った瞬間から、「私」が考えることは“誰が父親か?”ということだけ。「そんなこと言えるわけないじゃないですか。僕にだってタイムトラベラーとしての自覚はありますから」という田村くん( “田村”も偽名だと告白)。もっさりしたキャラだが、父親は誰なのか知りたくて食い下がる「私」に、「未来は自分で掴み取るものです」とかっこよく言い放った時の田村くんは間違いなく“イケメン”だった。結果的に、その言葉が「私」の後押しになったようだが。

この時間を超えたドタバタを、明石さんは“1冊の本”に例えて話していたが、確かに、読んでいる時は、その先のストーリー展開は見えてないので、いろいろと手を尽くしたところで、そうなる運命だったのかもしれないと納得してしまった。

下に続きます
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