池波作品の中では余りなじみのない『まんぞくまんぞく』という作品ですが、私は読後、なんともかわいらしく清々しい物語だと感じたものです。一途で頑なに武道に励む主人公は、まだ少女の面影を残しながらも心に秘めた思いを持ち、私の演ずる義父はそれを理解しつつも、あえて言葉を掛けること無く深い愛情で見守っている、そんな関係です。池波時代劇エンターテイメント、お楽しみください。
時代劇にはこれまで何度か挑戦させて頂いているので、その経験を活かせるのが楽しみです。また今回初めて京都の撮影所にお世話になるという事で緊張もしています。共演させていただくキャストの皆様方の頼もしい背中を追いかけながら私も一生懸命努めさせていただきます。
堀真琴(石橋)は幼き日に自分を守り死んだ金吾(池田鉄洋)のかたきをとるため剣の修業に励み、今では道場随一の剣術遣いとなった。養父の堀内蔵助(國村)と妻・弥栄(真矢)は、家名存続のため、何度も真琴に見合いをさせるが、「自分に勝てるような男でなければ結婚しない」と宣言し、試合を挑む見合い相手を次々に打ち負かす。内蔵助は、旗本の三男坊・織田平太郎(永山)の人となりに惚れ込み、真琴に合わせるが、二人は意地の張り合いをしてしまう。一方、逆恨みから、真琴の命を付け狙う浪人が現れる。