心の不調は体を動かせ、体の不調は心を動かせ、ですよ
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、多くの人の生活スタイルや思考パターンに何らかの変化が生じたことだろう。アルバムのラストを飾る「白い紙飛行機」は、アンジャッシュの児嶋一哉が、初めての農業に取り組む「種から植えるTV」のテーマソングとして番組を彩っている。コロナ禍をきっかけに、植物を育て始めた人も少なくないらしい。真心ブラザーズの2人は、「やったら楽しそうだけど、家庭菜園はまだ手を出してない」と口をそろえるが、楽曲制作や日常において変化の波は、2人にも静かにそして着実に届いたようだ。
YO-KING「毎日少しずついろいろなことをするのが好きなんですが、最近はさっきも言ったように毎日最低10分、作曲活動しています。『10分でいい』と思ってやると、やり始めるときの動き出しに迷わずにすむというか、あれこれ考えずに動き出せるんですよ。10分のつもりでやり始めても、結局30分くらいやり続けることも多いですね。あと、コロナ禍になってジムに通えなくなったのをきっかけに、毎日1km走るようになりました。大した距離じゃないんだけど…」
櫻井「この前は800mって言ってたよね?」
YO-KING「今、ルートの途中で工事してるからちょっと遠回りになったんです(笑)。走るのは大体朝7時半から8時半の間。タスクというかルーティーンの一部として曲作りも午前中にやります。そうやって、機械的に動くことを実践して、幸せになってきてるという実感があるから続けています。
走ることは、体のためというより心のためにやってる感覚があって、たとえ800mでも朝走るとパフォーマンスが上がる実感がありました。逆に、雨の日などで走れないと曲作りもちょっと落ちると感じていました。『運動脳』(アンデシュ・ハンセン著)という本を読んだら、運動によって鍛えられると書かれていて。俺の行動パターンの正統性が裏付けられた気がしました。フルマラソンを走るとなるとまた違う話だろうけど、ちょこまか運動するのは脳に良いんだなって」
桜井「僕はタスクじゃないけど、割と体は動かしてる方かな。今日もこのビルまで駅から歩いてきたけど、そこそこの距離がありますからね」
YO-KING「俺はこのビルまで自転車で来たんだけど、『あ、あそこ桜井さんがいる』って思って見てたら隣のビルに入ろうしてた(笑)」
桜井「隣のビルも、ここと同じ名前が書いてあったんですよ」
YO-KING「思わず『桜井さん、そこじゃない!』って声を出しちゃったもん(笑)。とにかく、動けるなら動くのはいいこと。心の不調は体を動かせ、体の不調は心を動かせ、ですよ。ヨガも、呼吸によって心身のバランスを取れると聞いて少し勉強しました。それで気に入ったヨガのポーズを朝と晩に行ったりもしています。名付けて“KING YOGA”(笑)」
収録曲●一触即発/君がすべてだったよ/群衆/LOVE IS FREE/破壊/Boy/雨/ブレブレ/うたたね/白い紙飛行機
真心ブラザーズ=(写真左から)桜井秀俊、YO-KING。1989年大学在学中、音楽サークルの先輩YO-KINGと後輩だった桜井で結成。同年9月にメジャーデビュー。YO-KINGは全員フロントマンのカーリングシトーンズのメンバーとしても精力的に活動、桜井は楽曲提供、サウンドプロデュースなど、それぞれ活躍中だ。11/3(木)からライブツアー「FRONTIER」をスタートさせる
公式URL=
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