<科捜研の女>森崎ウィン、撮影現場で感じた沢口靖子らの熱意を明かす「全員が作品作りをすごく楽しんでいました」
森崎ウィンが撮影で感じた難しさを語る
――森崎さんが撮影現場で感じたことを教えてください。
今回の「科捜研の女」は現代に内容も合わせていて、「AI(=人工知能)」とかも出てくるので、今までの「科捜研の女」にはあるようでない中身になっているんです。そういう要素もあって、ただ段取りをするのではなくて、段取りをかなり細かく話し合いました。
ドラマではそういったことがあまりないので、ドラマを取っているという感覚より、映画を撮っているという感覚になりました。
ドラマというスピード感もありつつ、映画を撮っているような壮大さ、一つ一つのシーンやお芝居に対し、時間を掛けているというのが、今までにない「科捜研の女」を生み出しているのだと思います。
――「科捜研の女」で主演を務める沢口(靖子)さんの印象や現場での座長ぶりは?
めちゃめちゃ奇麗でした!(笑)。長い短いに限らず、一つ一つのシーンに対して妥協せず、自分自身が納得してきちんとふに落ちるまで監督やスタッフさんと話し合う姿を見て、座長がこういうお方だからこそ、20年以上続く作品になるのだなと思いました。
――演じるキャラクター・兵働耕春について言える範囲でお伺いしたいです。
僕が演じる兵働耕春は、科学者というよりはプログラマーです。仕事として、プログラミングをしている中で、「AI」という物に大きな可能性を感じ、25年前にとある「AI」の開発に携わっていた人物です。
「AI」に明るい未来があるということを信じていたので、プログラミングの腕を磨いていましたが、ある事件によってその技術を逆手に取られてしまい、自分も巻き込まれてしまうことになるんです。
彼自身はすごく純粋で科学やプログラミングにしか興味がない人間なので、ある意味、世間とも離れている部分もあるので簡単にだまされてしまうような人でもあります。そんな彼が、25年の時をへて、「AI」として登場します。
その彼は本物なのか、そうではないのか、何のためにマリコ(沢口)らの前に現れたのかなどが、兵働耕春の見どころになるのではないでしょうか。
――撮影で感じた難しさはありますか?
「AI」が話しているように見せなければならないし、視聴者側が「AI」だと感じるような演技をしなければならないという点が難しかったですね。「AIが人間を演じる」という作品はたくさんありますが、「人間がAIを演じる」という作品がそんなにないんです。
「人間」である僕自身が演じる「AI」をいかに「AI」に近づけるのかがお芝居のメインではあるんですが、その中にもどこか「人間」らしさも入れなければならないのでそれも表現しつつ、画面越しだからこそ感じる正体の知れない恐怖もマリコたちに与えなければならなかったので、それぞれのバランスを取ったお芝居をすることは難しかったです。
「どこまでやればいいのか加減が分からない」という悩みもありましたが、そこは監督にしっかりとしたビジョンがあったので、全てお任せしました。