――この両チームが対決したときに、それぞれ弱点となり得るような不安要素はありますか?
ウォリアーズは、やはりターンオーバーです。一番気になるのは、ホームラン狙いのパスだったり、自分たちの力を過信するようなターンオーバーがあること。ウォリアーズの死角というと、それくらいしか思い当たらないです(笑)。去年のファイナルでは「個で打開してくるチームに、どう立ち向かっていくか」という課題が見えましたが、そのためにデュラントを加えた。彼が加わったことによる進化はスパーズ戦でも見られましたが、対キャバリアーズでその真価をいよいよ発揮すると思います。
クリーブランドの弱みは、やはりディフェンスです。そして、東プレーオフを勝ち進む中で、どれだけ試されてきたのか?という懸念があります。カイリー・アービングやケビン・ラブは、ここまでディフェンスでもすごく頑張っていますが、彼らの荒さを本当の意味で突けているチームがいなかった。このプレーオフで弱点がまだあらわになっていないし、優れたオフェンスがそれを塗り潰して、見えなくさせていると思います。
――それでは優勝を手にするのはどちらか、勝敗予想を聞かせてください
去年のNBAファイナルでも全く一緒の予想だったんですけど、4-1に近い4-2でウォリアーズです。ステフィン・カリーを筆頭に、もともと引き出しの多かったウォリアーズにさらにデュラントという引き出しが加わり、“デスラインナップ”と呼ばれるスモールラインナップのインパクトも強まった。今回のプレーオフでは、まだ“デスラインナップ”を長い時間使う場面は少ないですが、本当に究極、最後の10分これで戦えば、十分相手を上回れると思います。あとの問題は、相手に“キング”レブロンがいるということだけです。去年はNBA史上、初めて1勝3敗から逆転したNBAファイナルになりました。
これは33回目で初めてのことで、33分の1、つまり3%の確率です。分析上、僕は97%に賭けていたし、アナリストとしてはそれくらい威力がある数字でしたが、それでも3%の事象が起きてしまった。それも確率なんだな…というのを去年は思い知らされて、そういったことを可能にするのがレブロンというプレーヤーだと思うし、アナリスト泣かせで恐ろしいですよね(笑)。僕の立場上、分析上ではウォリアーズですけど、レブロンという存在は、常に常軌を逸している存在だと思います。去年もこうして話していて、言い訳みたいですけど(笑)。
NBAファイナルは6月2日(金)より、WOWOWライブにて全試合生中継される。
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