加藤雅也が作品に込めた映画業界への思いを語る

2022/11/19 16:57 配信

映画 会見

映画に込めた思いを語る加藤雅也撮影:原田健

俳優の加藤雅也が、11月19日に都内の劇場で行われた映画「愚か者のブルース」上映2日目舞台あいさつに、熊切あさ美佐々木心音小原春香、矢沢ようこ、横山雄二監督と共に登場した。

映画「愚か者のブルース」とは

同作は、2019年の夏に、広島先行上映で大ヒットを飛ばした加藤雅也主演、横山雄二企画プロデュース作品「彼女は夢で踊る」が全国公開され、スマッシュヒットを記録したことで実現した地方発信映画の第2弾。広島のストリップ劇場を舞台に、どこか欠けた者たちが織り成す人間物語。

30年前に伝説の映画を監督したものの、今や“過去の人”となっている男・大根(加藤)は、ピンサロ嬢として働くタマコ(熊切)のヒモとなり空虚な生活を送っていた。そんなある日、タマコの昔の男が現れたことから、2人は大根の大学時代の後輩(横山)が館長を務める広島のストリップ劇場に逃げ込む。劇場の楽屋に住み込むことになった2人は歓楽街に住まう人々に歓迎され満ち足りた時間を送っていたが、大根がストリッパー(小原)に手を出したことで、それぞれの関係性が崩れ始める、というストーリー。

加藤雅也「地方のすごい才能たちにチャンスを与えるようなプロジェクトになれば」

舞台あいさつでは、加藤が「この映画で僕が一番伝えたいことは、監督にも言ったんですけど『“夢で生きている男”と“夢に生きている男”』ということ。夢を見ることだけで満足している“夢で生きている男”と、夢をかなえるために努力をし続けている“夢に生きている男”というのを映画のメッセージとしてやりたいというのがありました」と告白し、「『自分の考え方をちょっと変えたら、生き方も変わるのにな』というのもこの映画のメッセージです」と明かした。

また、「この映画は広島の人たちで広島のために作った広島映画ということで、『僕ら東京組は広島カープに行った助っ人外国人』ということを言って、広島の人たちと一緒に作った映画です。こういう映画がどんどん作れるようになれば、もっと面白いものも出てくるし、地方の活性化にもなるし、地方でフレキシブルに撮影ができるような環境が整えば日本の映画界も残っていけるのかなと。地方にはすごい才能がいっぱいいて、そういう人たちにもチャンスを与えるようなプロジェクトになればいいな思っています」と作品に込めた思いを語った。

◆取材・文=原田健