ファイブボンバーじゃなくなってる!「ネプリーグ」/テレビお久しぶり#26

2022/11/25 21:30 配信

バラエティー コラム 連載

「テレビお久しぶり」(C)犬のかがやき

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は「ネプリーグ」(毎週月曜夜7:00-8:00、フジテレビ系)をチョイス。

ファイブボンバーじゃなくなってる!「ネプリーグ」


約8年ぶりに見たネプリーグはやはりどこか変わっていて、たとえばゲストの多さであったり(TVerのサムネイルにネプチューンがいない)、クイズの種類であったり、私が慣れ親しんでいたころのネプリーグとはかなりの変化が見られた。あくまでゲスト主体のバラエティとなっている印象で、散々ふざけていた(と個人的に記憶している)ネプチューンの面々も、あくまでゲストを立てるために脇に回っている印象。もちろん、この回だけを見て変化を語ることなどできやしませんが、ほとんど何も変わっていないように見えた「ナニコレ珍百景」に対し、こちらはある意味新陳代謝が進んでいるということなのかもしれない。一体どのような記憶との変化があったのか、ひとつずつ振り返っていこうと思う。

まず、ネプレールというクイズ。これを初めて見た。チームを電車に見立て、各駅停車で問題を解いていき、終点を目指すというものだ。ゴールしたタイムで競うこのゲーム、ひとりが問題に手こずってしまうと、ゴールの時間が遅れ、相手チームに後れを取ってしまう。相変わらず、ネプリーグ全編に共通する”プレッシャー”が如実にあらわれる形式のクイズである。あれ?プレッシャー…列車…プ列車……おっと、誰か来たようだ。こんな時間に誰だろう…。

口封じに殺されたところで、次のクイズ…と思ったら、予備校講師・村瀬哲史氏による補足授業が。印象的だったクイズの答えを、より深堀りして教えてくれるのだ。まさかネプリーグが、”ためになる”クイズ番組に変貌しようとは…。少年時代は毎週見ていたネプリーグ、番組から学んだ知識なんてなにひとつ頭に残っちゃいないのだが、今の子供たちは、ネプリーグから学ぶことも多いのかもしれない。それは素晴らしいことだろう。

次のクイズは、ハイパーツアーズジェット。名前だけ聞いてもピンとこないが、ネプリーグではおなじみ、画面に迫ってくる漢字の読み仮名を入力したり、書き取りをしたりというアレである。漢字やひらがながずんずんとこちらに迫ってくるのが愉快で面白い。進行を務める天の声・伊藤利尋アナの「間違えやすい漢字で、間違えたー!」という意地の悪い実況に笑う。

さて、最終クイズはもちろんファイブボンバー……かと思いきや、ハイパーボンバー。5人の回答者が、ゆっくり降りてくる爆弾の真下で順番に答えを挙げていくというシステムは変わっていないものの、5人目にたどり着くと順番が逆行、ひとり2回答ずつの10回答というルールとなっているようだ。5人目の正解の時点で終わらないのは少し驚いたが、爆弾の真下でクイズをさせられている大人たちという絵面がまず面白いので、困った改変ではない。むしろ、「もう一度自分に回ってくる」という緊張感が追加されて、より面白いものになっている。

そして勝者チームの挑戦するトロッコアドベンチャー。全員ではなく、代表者ふたりが挑戦するということになっている(今回だけかもしれませんが)ようで、細かい変化はあるものの、しかし、私の覚えているトロッコアドベンチャーそのもので、楽しかった。これもうっすらとした記憶なのだが、不正解でマグマに落ちたと思わせて、実は真下にレールが続いていた…という演出がたまにあって、私はテレビの前で毎回ぶち上がっていたのを覚えている。今回、久しぶりに期待してみたが、残念ながら見られなかった。8年ぶりのネプリーグ、これにて読了、お疲れさまでした。

ずいぶん偉そうに書き連ねてしまったが、結局めちゃくちゃ面白かった。ただのクイズではなく、アトラクションとしてアイデア豊かに演出されたビジュアルは、他のクイズ番組の追随を許さない。幼児が見たって楽しいようなクイズ番組はそうないだろう。陰湿なことを言ってしまえば、プレッシャーという要素が加わることでインテリジェンスたちが次々と凡ミスを犯してしまうのも、何だか愉快でよい。今でも変わらず、大いに楽しませていただきました。ちょっと今日は番組自体ばかりを見てしまって、出演者の方々について一切触れることができなかったのだが、出ていると知らずに見たので、QuizKnockのふたりがいて嬉しかった。あと林修先生も好きなので、いてくれて嬉しかった。こうして記事の締めどころが分からないときに、林先生の存在は非常に助かる。いつ終わるか?今でしょ!ありがとうございました。