「キングオブコント」が終わり、年末に向けて「THE W」「M-1グランプリ」とお笑いの賞レースが続く。その狭間である11月に、フジテレビで“コントのお祭り”が放送された。11月19日放送の「ドラフトコント2022」である。
「ドラフト」と「コント」両方のワクワク
5名の芸人がキャプテンとなり、若手芸人20名のなかから「一緒にコントをやりたい」と思う芸人をドラフト形式で指名。その後、1チーム5名でユニットコントを作りあげ、1カ月後に観客の前で披露する。最終的に5チームからチャンピオンを決定するという流れだ。
キャプテンは千原ジュニア、小籔千豊、春日俊彰(オードリー)、田中卓志(アンガールズ)、長田庄平(チョコレートプラネット)の5名。若手芸人のなかには、各賞レースのチャンピオンをはじめ、実力者たちがひしめく。誰と誰が一緒になっても夢の組み合わせだし、キャプテンがどんな人選をするのか期待しちゃう。まさに「ドラフト」のワクワクと、実力者による「コント」の面白さ、両方を味わえる番組なのである。
ネタが書ける、飲んだことがある……それぞれの人選
番組はキャプテン5名によるドラフトからスタート。指名を読み上げるのは、本家プロ野球のドラフト会議でもお馴染みの関野浩之……ではなく、その声真似をする松村邦洋(そっくり!)。
このドラフトコント、「誰がネタを書くか」がひとつのポイントになる。今回、キャプテン5名のうち、ネタを書けないのは春日だけ。だが、春日は前回大会で水川かたまり(空気階段)をブレーンとして起用し、見事優勝を果たしているのだ。今回も「勝つコツは自分でネタを書かないこと」と胸を張る春日。2巡目にネタを書ける野田クリスタル(マヂカルラブリー)を指名し、ジャンポケ斉藤やチョコプラ松尾、ナダルといった「大砲」を揃える。
小籔は「キングオブコント2022」の優勝者・ビスケットブラザーズの原田をはじめ、全員ネタを書けるメンバーで固めた。田中は、う大(かもめんたる)、かたまりと個性的かつ強力なブレーンをそろえる。一方、ジュニアは「知らない人とコントをしたことがない」と飲み友達を中心に指名。長田は「一番かわいがっている先輩」とKAƵMA(しずる)を1位指名し、気心が知れたチームを作った。
ネタが書けるだけでなく、「仲良くものづくりができるか」という視点も感じられるドラフトは、ほとんど指名がかぶることなく終了。最後に1人余ったのは、錦鯉の長谷川。面白いのはもちろんなのだが、「味が濃すぎる(小薮)」と敬遠され、獲得することになった田中は「急に異分子が入ってくる!」と戸惑う。