優しさと強さを表現する柊木陽太
なかでも注目された一人が、圭吾を演じる柊木陽太だ。心不全の憎悪を何度も経験している圭吾は、心臓移植が必要だったが、希望していなかった。
その理由を第6話で武四郎に「僕より大変な子がいて、その子から(心臓を)もうらうんでしょ? 早く子どもが死んじゃいますようにってお願いするみたいだ」と明かした。
その優しさを知った武四郎の“修学旅行”と題した治療計画をきっかけに圭吾は移植を受ける決意をしたのだが、第8話では、感染症で予断を許さない状況に。そんななかでも、同じ病室にいる意識不明の光を心配する大輝にアドバイスして、変わらない優しさを見せた。だが、再び容体が急変。懸命の治療もあって目を覚ました圭吾は、「もし俺がだめだったら、俺の体をあの子(光)にあげて」「俺の命、無駄にされたくない」と武四郎に訴えた。
圭吾の優しさと強さを、柊木は丁寧に演じる。
2021年の7月期ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で俳優デビューした柊木。同作では、中川大志が演じた主人公の幼少期の役で、この世界に入ったのが中川の出演作を見てという柊木にとって、奇跡の縁がつながった。
その後、10月期ドラマ「最愛」(TBS系)で主人公の弟の幼少期、11月から放送がスタートした連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK総合)ではオダギリジョー演じる錠一郎の幼少期を演じた。そして、2022年1月期の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」では主人公の幼少期と、デビューから3クール連続でドラマ出演を果たした。また、6月~8月にNHK BSプレミアムとディズニープラスで配信され、現在NHK総合で放送中のドラマ「拾われた男」では、草なぎ剛演じる主人公の兄の幼少期で出演。
デビュー以後、話題作のキャラクターの幼少期に抜擢され、存在感を放ってきた。その確かな演技力を今回も存分に発揮している。