コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、羊の目。さんの漫画「彼は決して手袋をしない」だ。12月6日に投稿されたツイートには、6.5万いいねを超える反響が集まっており、「心が浄化される」「いつの間にか泣いていました」「青春っていいな…たかし君が男前!」「2人の関係が尊い」といったコメントが集まっている。作者の羊の目。さんに話を伺い、創作の裏側などを語ってもらった。
漫画「彼は決して手袋をしない」のあらすじ
同作は、生まれつき耳が聞こえない“沙希”と、小学校からの幼馴染“たかし”の、下校中での出来事を描いている。
手話を使う沙希は、好きな人と手を繋ぐことに憧れがあるものの、言葉を自由に話せなくなってしまうことから、その行動を諦めていた。しかしそんな気持ちを察したのか、たかしがとった行動は…というストーリーだ。
羊の目。さんへのインタビュー
――「彼は決して手袋をしない」は6万いいねを超える反響です。ここまでの反響となったことについて率直な感想をお聞かせください。
沢山の方にご覧いただけてとてもうれしいです。私の生まれ育った市の総人口が6万人程でしたので「総人口分…!?」と震えています。
――「彼は決して手袋をしない」について、作品に込めた思いをお教えください。
子供時代と高校生時代では恋愛の形もいくらか変わると思うのですが、根本的な優しさ、相手への思いやりの部分は変わらないよねという思いを込めました。それと冬なので冬らしいテーマで描きました。たかし君と沙希ちゃんはいつまでも変わらないでいてほしいなと思います。
―― 以前、羊の目。さんは手話をテーマにした作品を描こうと思ったのは、「Coda コーダ あいのうた」という映画がきっかけと仰っていましたが、手話の描写が非常に上手く、聴覚障がいを持つ方への理解が人並み以上にある印象を受けます。何か自主的に勉強をしていたり、参考にしている人物がいるのでしょうか。
そう仰っていただけて嬉しいです。漫画内で手話の描写が出るときは必ずその手話を自分で何度も実践します。同じ手話でも手の動かし方や早さひとつで手の表情が変わるように思います。沙希ちゃんや絵那ちゃんの手話は柔らかく、たかし君の手話は大きく元気な感じを意識しています。聴覚障がいを持つ方への理解はまだまだですのでもっと深めていきたいです。本や映画など(「私だけ聴こえる」というドキュメンタリー映画はとても為になりました)は積極的に触れるようにしています。
――羊の目。さんの漫画のコメント欄を見ると、目頭が熱くなったり、涙を流したり、深く考えさせられるきっかけになったと痛感している人が多い印象です。自身の漫画を通して、こういう世の中になってほしいという思いがあれば教えてください。
私の漫画に、世の中がこうなってほしいという明確なメッセージは含まれていません。自由に読んでいただけたらそれが一番嬉しいです。ただいただいたコメントを拝見する度に世の中にはこんなにあたたかい心の持ち主が沢山いるのかと実感しますので、世の中はきっと大丈夫だと思います。
――羊の目。さんは漫画を描いているときに行き詰まったり、キャラクターに感情移入しすぎて苦しくなったり、書いていて辛くなることはありますか。
漫画を描くことが辛いと思ったり苦しいと思ったことは子供のころから一度もありません。それこそ朝から晩まで時間の許す限り描いていますが不思議と全く辛くないので「多分私は漫画を描くのが好きなのでは…!」とぼんやり気づき出してきました。行き詰るようなことも今のところないので大丈夫です。もし行き詰ったらそれを理由に旅に出ようと思います。秋田とか鹿児島とか行ってみたいです。
――今後挑戦してみたいジャンルや、展望があればお教えください。
ずっと挑戦したかったスポーツというジャンルを「運動会リレー編」で叶えることが出来ました。そして今後、まだ詳細は言えませんがまたひとつ大きなシリーズをはじめる予定です。途中で気が変わって予定で終わったりしなければ描くと思います(多分!)。ほんのり楽しみにしていただけたら嬉しいです。
――最後に、作品を読んでくれている読者やフォロワーにメッセージがあればお願いします。
いつも漫画を見てくださってありがとうございます!当たり前ですがいただいたコメントは全部読んでます。励みになっています。多分皆さんが想像する50倍は励みになっています。励みまくっております。これからも沢山描いていきますので是非お付き合いください。よろしくお願いします!