小栗旬が主演を務める大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の最終回「報いの時」が12月18日に放送された。主人公・北条義時の妹・実衣を演じた宮澤エマと、義時の第3の妻・のえを演じた菊地凛子、善児(梶原善)に育てられた孤児・トウを演じた山本千尋がコメントを寄せた。
宮澤エマ「演じていて苦しい瞬間もありました」
――実衣を演じきっていかがでしたか?
史実上存在する人物を演じるということの責任はもちろんあると思うんですけど、阿波局は政子や他の人物よりは分かっていることが少ないキャラクターだったので、逆にすごくフィクションというか、想像の部分が多用されていたので、いち人間として実衣という役と向き合った1年でした。
誰よりも普通の人、普通が何かというのはさておき、とても普通の感覚を持った伊豆の豪族の娘が、これだけ大きな歴史の渦に巻き込まれていくと変わらざるをえない。すごく立派な姉上(政子)に比べると、政に対する嗅覚とか才能というのもそこまでない。そういう普通の人は、自分の役割を一生懸命見つけようともがいていく人生なんだな、というのは、演じていて苦しい瞬間もありました。
「どうしてこの人はこういうタイミングでこういうことを言うんだろう」と、なかなか寄り添えないというか、共感できない部分もたくさんあるキャラクターではあったんですけど、その分すごくリアルで。前半は視聴者の方の気持ちを代弁するキャラクターだったのが、どんどん視聴者から離れた、暴走と言っていいのか分からないけど、愛しにくいキャラクターにはなっていったと思います。
でもそれがすごく人間らしくて、一番普通の人の感覚を持っていたのかなという部分もあるので、「姉上にこんなこと言いたくない」とか「どうしてこういうことになっちゃったんだろう」と思わざるをえないところはあったんですけど、そこは三谷幸喜さんが、実衣にとっての大きな正念場やドラマチックなシーンを素晴らしい形でつくってくださったので、演じていてやりがいがあるチャレンジでした。
菊地凛子「そこまで嫌われていなかったんじゃないかなと」
――のえを演じきった感想をお聞かせください。
最後までのえを演じられて本当によかったです。感無量というか、自分の中の”のえ”というのを、伊賀の方をやれたというのは本当に幸せでした。
――のえと義時の関係をどのように捉えていますか?
ちょっと前の義時さんだったら、きっとのえもここまで跡継ぎとか、政村(新原泰佑)ということじゃなくて、もっと夫を見られたかもしれないし、義時さんもちょっと前の義時さんだったら、もっと違った愛情のかけ方で夫婦として違う姿が見られたんじゃないかなと思うと、すごくすごく切なくて。
だけど、伊賀の方というのは義時さんと一緒にお墓に眠っているので、そこまで悪い人じゃなかったんだろうなとは思っているんですよね。本当に悪い人だったら、一緒に眠ったかなとか、周りからもそこまで嫌われていなかったんじゃないかなと。
そういう背景を考えると、彼女のちょっとしたチャーミングさとかそういうところも見せられると、ただただ毒を盛ったということじゃない。毒を盛るって相当なことですし、人を死に至らしめるというのはすごい決心だと思うんですよね。それ相応の理由が、もっと違うところにあるというのが、やりたかったところではあったので、そこが出せているといいなと思っています。
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