民放公式テレビ配信サービス・TVerで、過去の名作や最新の話題作など200作品超を一挙無料配信する「名作ドラマ特集」が始まりました。名作ばかりの中、特におすすめしたいドラマを5作ピックアップ。昔の作品から順にご紹介します。
「愛していると言ってくれ」
このドラマが放送されていた1995年頃、主人公の紘子(常盤貴子)と、耳の聞こえない晃次(豊川悦司)が連絡を取り合うのは、メールやLINEではなくてファックス。懐かしいですね。夢中で見ていた大ヒットドラマですが、今見ると出てくる道具も風景も、紘子の言動もずいぶん新鮮に思えます。そして私はあの「キツネ」のシーンがとても好きです。キツネって?となった方、ぜひご覧ください。
「ケイゾク」
1999年放送のドラマ。未解決事件を扱う警視庁二係、通称「ケイゾク」に研修で配属された東大卒の警部補・柴田(中谷美紀)が「あのう、犯人わかっちゃったんですけど」とお蔵入りになっていた事件を次々解決していく。頭脳明晰なのに日常生活はすべてダメで風呂に入ることさえ忘れがちな柴田と、謎めいた暴力刑事・真山(渡部篤郎)のコンビの凸凹感がとにかく最高。登場人物の魅力に加えて、スタイリッシュなカメラワーク、謎解きのおもしろさが絡み合って絶妙、柴田が言う通り「ワンダフル」です。
「流星の絆」
流星群が見たくてこっそり外出した幼い兄妹が家に帰ると、両親が何者かに刺殺されていた。犯人が見つからないまま14年経ち、時効まであと3ヶ月となった頃、当時事件を担当していた刑事が、長男の功一(二宮和也)が働くカレー店に現れる……。メインの物語は功一・泰輔(錦戸亮)・静奈(戸田恵梨香)の兄妹による犯人探しミステリーなのですが、日常で出会った悪人を兄妹でだましてこらしめる軽妙なエピソードに大笑いし、彼らが失った幸せな日々を思って涙したりと、見どころがいくつも複雑に重なり合っていて、何度見ても感動します。2008年の作品ですが、実は私の心のトップテンにずっと入り続けているドラマです。
「ゆとりですがなにか」
2016年のドラマ。1987年以降の生まれの人が一般に「ゆとり世代」と言われて世間から揶揄されているようだけど、みんないろいろ悩んでるし、思いはそれぞれ違う。同じ頃に生まれた人たちをひとまとめにして論じるのって、変ですよね。そんなもやもやを笑い飛ばす、おかしいけれどせつないドラマ。松坂桃李さん、岡田将生さん、柳楽優弥さんなど、若手の俳優さんの魅力が大爆発してます。そして見ているとなんか腹が立つ、絵に描いたような「ゆとり」な山岸を演じているのは、この頃はまだ太賀と名乗っていた仲野太賀さん。あの山岸を見ていたときは、彼が主演のドラマが2本同時に地上波で放送される年が来るとは思ってもいませんでした。
「大豆田とわ子と三人の元夫」
2021年放送。ごく最近のドラマもこうしてすぐ無料配信で見られるのはうれしいですね。「すてきなマンションに住む会社社長」という、2000年くらいまでのドラマなら「主人公が憧れている人」あるいは「意地悪な上司」のどちらかにされがちだったタイプの女性であるとわ子(松たか子)が主人公。そこがすごく「今だなー」という感じがして好きです。お金があっても社長でも、いろいろうまくいかなくてどんよりしたり、外れる網戸にイライラしたりするよね、と当たり前のことをきちんと描いたのがほんとにいい。
以上のドラマ、どれも使われている音楽がとてもすてきなことも共通点です。そちらもお楽しみください。
■イラスト・文/渡辺裕子
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。