――1期から3期を通して岸辺露伴が変わらない部分と変化した部分をそれぞれ教えてください。
変わらない部分は志の部分だと思います。何を一番に持ってくるか、何を優先にするかと
いうのは露伴の中ではぶれない部分だと感じますし、それは特に意識してお芝居をしてきました。
変わったことは、怪異に対する対応の仕方でしょうか。「これはもしかしたら怪異なのかもしれない」という思考の結びつき方が、割と早くにシフトできるようになっているというか、そういう思考回路になってきているのかもしれないです。1期から数えるとこれまで8つの怪異と対峙してきているわけなので、その怪異に対する対応の仕方は以前より柔軟になっているのではないかと思います。
――怪異についてはどのように捉えていますか？
怪異のベースにあるものは人間の恐怖だと僕は思っています。妖怪や怪異は存在するとは思いますが、そこにはまず人がいないと観測者がいませんから。なので、自分とは関係のない話では捉えられない気がしています。
――改めて3期でワクワクを感じる部分はありますか？
できればどの現場にも一貴さんや「岸辺露伴は動かない」のスタッフがいてくれてリアクションをしてくれたら本当にうれしいなと思います。作品やお芝居に対して10人いたら10人違う意見を持っていて、その中で僕は一番身近である制作の現場の意見やリアクションを信じて今までやってきましたし、そういう感覚でお芝居ができていることにおいてはとても幸福に感じています。浮かれることもなく冷静になり過ぎることもなく、お芝居をしやすい現場で一丸となって作品を作り上げているということが、何よりもありがたいことだと思っています。
――2期の撮影では「穴あきの衣装を着たい」とリクエストされたとお聞きしましたが、3期では何かリクエストされたのでしょうか。
今回は完全にお任せしました。「穴あきの衣装を着たい」と言った2期の時は、1期のイメージをもっと拡張したかったので、原作のテイストを存分に入れつつ、ちょっと人格が変わってしまうのではないかというくらいまで大きく演じてお芝居に広がりを持たせていました。3期においては、今までご一緒してきたスタッフの方々が持っている露伴像というものを垣間見ることができて非常に面白かったなと思っています。