「声の力で世界に煌めけ」をコンセプトに活動する、スターダストプロモーション声優部所属の声優、小山百代、小峯愛未、黒木ほの香、汐入あすかの4人からなるユニット「サンドリオン」。今年で活動6年目、ますます歌にダンスに磨きをかけ続ける彼女たちは、日本コロムビアから2023年春メジャーデビューを果たすと発表した。満を辞してメジャーに乗り込みその歌世界を届けようとする彼女たちに、今回、前後編に渡る超ロングインタビューを慣行。前編は、メジャーデビューが決定した今の想いと、12月21日に発売されたインディーズ時代最後の作品となる2ndベストアルバム「SOUND OF BES2」の魅力について語ってもらった。
――メジャーデビューおめでとうございます!約6年という雌伏の時間を経て、いよいよですね。
小山:本当に。結成からずっと、メジャーデビューが夢と掲げてきましたので、本当に「やっと!」というのが素直な感想です。ただ嬉しさもありつつ、ここはゴールではなく、次のスタートラインだ!という想いの方が強いですね。活動期間約6年の間には色々とあり、形やとりまく環境はたくさん変ってきました。ですが自分たちの信念や積み重ねてきたことは始まりから今も一切変わらず。この先も4人で一生懸けて足を止めることなく前に進むので、今まで一緒に歩んでくださったドリオンズ(ファンの呼称)、この先私たちを知ってくださる方、みなさんと共に進んでいけたら嬉しいです。コロムビアさんから頂いた言葉、「サンドリオン、がんばリオン!」精神で、いきたいと思います(笑)。
小峯:素晴らしい一言!(拍手)。もう、素晴らしすぎるので、以下同文で。
黒木:言いたいことの全てを言ってくれました、右に同じ。
汐入:私も、右に同じです(笑)。
小山:ちょっと!以下同文、右に同じはナシで!
小峯:えぇ~!?(笑)。まあまあ、冗談はさておき、ずっと待ってくれたドリオンズのみなさんには、本当にここまで支えてくれたことに感謝しかありません。こうして大きな夢が叶ったからこそ、大きな会場に立つぞ!全国ツアーするぞ!…とか。こうした今まで口にしたくてもできなかったことを、今は堂々と言えると思うの。そう強く思えるこの4人で、この先も頑張っていけるのが嬉しいですね。
黒木:愛未ちゃんの言う通り、この約6年という長い間ずっと夢と思っていたメジャーデビューという大きな夢が叶うなら、この先に待つ夢は簡単に感じるんじゃないかな?って。たくさんの新しい希望をしっかり形にして、色んな楽しくてステキな景色をみなさんと一緒に見られたらいいなあって。
汐入:私は良い意味で変わらない大好きなサンドリオンというグループを、愛してくれる方が増えてくれたらいいなあ。大きな一歩を踏み出せるのはすごく嬉しいですが、「サンドリオン、変っちゃったね」と言われるのはすごく寂しい。私たちの温かでアットホームな部分をずっと大切にしながら一歩ずつ進んで、サンドリオンと出会ってくれた方たちが、「大好き」と大切に想ってもらえるようなグループでいられることが一番だなあって、ウフフ。メジャーデビュー、喜んでくれたらいいなあ。
小峯:(噛みしめるように)本当に。たくさんの方に喜んでほしいね。
――先日12月21日には。1stベストアルバム「SOUND OF BEST」から約2年半ぶりとなる、2ndベストアルバム「SOUND OF BES2」が発売されましたね。
小山:次のリリースがインディーズ最後の作品になると聞き、ならばベストだねってみんなで話し合って。なので、今作の収録曲も全て私たちで決めました。
小峯:4人で「これ入れたい!」、「あれ入れたい!」と、決闘の果て、殴り合いの果てにこの12曲が決まったんですよ。
小山:イテテテ(笑)。
黒木:この話になると傷が痛みだします(笑)。って、冗談ですが、それぐらい本当に選曲にはこだわりました。
汐入:「無重力ランデヴー」と「illuminations」という限定リリースした曲、プラス、過去の楽曲は全て再収録しました。約6年の全てを詰め込めたので、新しくサンドリオンに触れる方はもちろん、古くから応援するドリオンズはその成長の足跡を感じてもらえるという一枚になっています。
――みなさんは、サンドリオン楽曲の魅力をどのように感じていますか?
小山:音楽って人によって好みがバラバラですよね。激しい音、優しい音、可愛い曲…色々ありますが、私たちの楽曲はそのどれもがあるんですよ。なんというか、バイキングみたい。好きなものをたくさん選べて、逆に「挑戦してなかったけれど、気になっていたもの」を色々と、アルバム1枚で本当に様々な楽しみができるんですよね。
汐入:必ずどの作品を聞いても、一曲は強く刺さるはず信じています。そう自信を持って言えるぐらい、魅力的で多彩なジャンルの楽曲をいただけて。
黒木:本当にどの曲も豪華な作家さんたちに手掛けていただいて。その素晴らしい楽曲についていけている私たちも実は…結構すごいと思うんです!
一同:(笑)。
黒木:まあ、完全に死に物狂いでついていっているのですが(笑)。私はキラッと輝いている人の歌声が好きなのですが、私も含めて全員キラキラと輝いている声質なんです。その輝きも一人ひとり違っていて、それが重なり合うことでより深みが出てくるのが一リスナーとしても面白いなあって。
小峯:その最高の曲をギュギュッと詰めた、「BES2」をキッカケに、サンドリオンを追ってもらえたら本当に嬉しいですね。
――今作はこれまでの楽曲に加え、「星のLarme」、「メロン・ソーダ・フロート」、「ダッサイ」という新曲が収録されています。メンバーのみなさんの意見を汲んで作られた3曲だそうですが、それぞれの解説をお願いしていいですか?
黒木:清竜人さんに手掛けていただいた「ダッサイ」は、「march」(1stアルバム)に収録された、「FAQ」というクールな楽曲がみんなから好評を得ているという手応えがありまして。そうした大人ぽくてカッコイイ路線の曲が欲しいなと誕生した曲です。
小峯:昔の私たちなら確実に歌えないほどセクシーな音、ストレートな歌詞で。約6年という時間の積み重ねがハッキリと、「ダッサイ」には表れているよね。
汐入:「ダサイ」に力がこもった「ダッサイ」というタイトルなのですが、この前、Twitterで「『ダッサイ』というタイトルと真逆でカッコイイ!」と感想をいただいて。「『ダッサイ』、だけど本当はカッコいいよ」という曲です。
――反対に「メロン・ソーダ・フロート」は、愛らしさ全開のポップな楽曲です。
小峯:今年から「本格的にTikTok頑張るぞ!」と、本腰を入れ始めたこともあり、「TikTokでバズるような曲」をお願いして生まれた曲なんです。
小山:本当にポップで愛らしい楽曲なのですが、歌う側としてはとにかく難しい…(笑)。
黒木:音符の動きが激しく言葉もキュキュッと詰まっているため、しっかり聞きこんで歌い込まないと、ちゃんと歌えないんですよ。
汐入:しかも、ライブではヘッドセットを付けて両手を使った細かい振りをするんですよ。歌もダンスも情報量が沢山。楽しい曲ながら緊張感もある、手ごわい曲です(笑)。
――バズを狙いつつ、披露すればするほどサンドリオンの成長も垣間見える曲であると。そして「星空のLarm」はfhanahanaの佐藤純一さんが手掛けています。話によると今作は、佐藤さんがサンドリオンへと送った「エール」だそうですね。
小山:そうなんです、この前開催したライブ「CheerfulLIVE」に向けて、応援ソングを作りたいねとなり、尊敬する佐藤さんにお願いしようと爆誕しました。佐藤さんは私たちへのエールを込めた楽曲を、私たちが歌うことでドリオンズへのエールにもなるという気持ちを込めて作ってくださって。佐藤さんも「難産だった、今まで作った曲の中でも思い入れが深い」とおっしゃるほどの、想いが詰まった曲になりました。
小峯:「Larme」は初の生のストリングスを導入していて。その弦楽器の音の重なり・広がり方がものすごい壮大で、すごいことになっているんです。
汐入:オチサビ前の愛未ちゃんが歌う「その軌道の在りか見つけるよ」という箇所でのベースのメロディラインが本当にキレイで。アコギの音も流れる用で、音が歌にこんなにマッチするんだ!と、驚いていただけるかなと思います。
小峯:個人的には、ほのけ(黒木)のオチサビから、ラストに向けて全員で歌っていくところの展開が、「私たちはまだまだ終わらないぞ!」という希望を感じて、歌っていて泣けてくるんですよ。
黒木:そうそう。1番、2番と段々と広がってこのオチサビからバン!とさらに音の景色が広がって、「この曲、天上のさらに上があるんだ!」って思わず目頭がグッと熱くなるよね。