“憑依”ともいえる演技力で作品ごとにまったく異なるキャラクターとして私たちの前に現れる草なぎ。その稀有な表現力で、これまでもいくつもの作品で見る者の心を奪ってきた。
2003年放送の主演ドラマ「僕の生きる道」(フジテレビ系)では、余命1年と宣告され、生きることの真の意味を見出していく主人公を熱演。病が進むにつれ、あばら骨が浮き出るほどの役作りを見せた。
2020年公開の映画「ミッドナイトスワン」では、心と体に葛藤を抱えて苦しむトランスジェンダーの主人公を演じ、「第44回日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を獲得。
吉沢亮が主演を務めた2021年の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合)では、吉沢演じる渋沢栄一が生涯にわたり尊敬する主君・徳川慶喜を演じた。江戸幕府最後の将軍として幕府軍の先頭に立ち、維新後はその罪を全て背負うかのように沈黙した慶喜。深く哀愁を刻んだその姿に視聴者からは感動の声が上がり、栄一との変わらぬ主従の絆、年老いて背中が丸くなった佇まいも見る者の涙腺を刺激。「第59回ギャラクシー賞」テレビ部門・個人賞を受けた。
“半身不随の兄”をあまりにもリアルに
2022年夏にNHK BSプレミアムで放送され、現在ディズニープラスの「スター」で見放題独占配信されているドラマ「拾われた男」も、そんな草なぎの演技力が発揮された作品だ。
ディズニープラスの日本作品では、12月28日より配信がスタートした柳楽優弥主演のヴィレッジ・サイコスリラー「ガンニバル」も、“ディズニーらしからぬ”残酷描写への挑戦もあり注目されているが「拾われた男」は、一風変わったヒューマンコメディだった。
「拾われた男」は俳優・松尾諭のエッセーをドラマ化した、他人に“拾われる”ことで人生を切り開いた俳優志望の男・松戸諭の物語。主演の仲野太賀が諭を、草なぎは諭と複雑な関係で結ばれた兄・松戸武志を演じた。
幼い頃、諭は3つ年上の武志を追いかけていた。しかし成長するにつれ、武志のつかみどころのなさに苦手意識を持つようになり、やがて“絶縁宣言”に至る。そうして長い間絶たれたままだった2人の交流が、15年後、アメリカに住む武志が脳卒中で倒れたことをきっかけに再開。2人の時間が再び動き出す。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/lost-man-found
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■草彅剛オフィシャルInstagram
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