イジリー岡田、“下ネタ”への葛藤「正直あった」…転機となった『アメトーーク!』と出川哲朗の言葉

1990年代に放送されていた深夜番組「ギルガメッシュないと」(テレビ東京系)から着想を得たドラマ「ギルガメッシュFIGHT」が、動画配信サービス「Paravi」で配信されている。同ドラマの宣伝大使を務めるのは、「ギルガメの顔」とも言えるイジリー岡田だ。しかしイジリー自身、“お色気”な内容であることについて、「葛藤は正直ありました」と意外な一言。そして「ギルガメ」終了後も、“下ネタ”のイメージが強くなりすぎて大変だったというが、吹っ切ることができた裏には、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)と出川哲朗の存在があった。
イジリー岡田、『ギルガメ』出演決定も「下ネタへの葛藤があった」
――「ギルガメッシュFIGHT」は、「ギルガメッシュないと」のスタッフたちの実話から着想を得たドラマとなっています。改めて、イジリーさんが世に出たきっかけともなった「ギルガメッシュないと」について、出演するようになった経緯をお聞かせください。
「ギルガメッシュないと」はスタート当初から、エッチな番組だったわけではなく、僕が担当していたセクシー女優さんのお宅訪問コーナーだけがお色気路線でした。当時の僕は27歳で、前年にコンビを解散し、ピンでの活動を開始したばかりの頃です。僕は萩本欽一さんに憧れてお笑いの世界へ入ってきた人間なので、エッチな内容や下ネタに対しての葛藤は正直ありました。でもピンになったタイミングで、マネージャーさんが「岡田をまず深夜で勉強させる」という考えのもと取ってきてくださった大事なお仕事だったので、「一生懸命やらなきゃ」「どうにか芸能界で生き残らなきゃ」と考えてましたね。
――そうなんですね。
そんな中、番組開始3カ月過ぎくらいにディレクターさんが変わり、「ギルガメッシュないと」は全面的にエッチな方向へと舵を切っていきました。それに伴い、僕は番組を引っ張っていく役割を任せていただくようになって。そして気づけば、番組のカラーに染まり、番組が終了する頃には、取り返しのつかないことになっていました(笑)。
――(笑)。“取り返しのつかないこと”とは、どういうことでしょうか。
要するに、タレントとして“エロ”のイメージが強くなりすぎちゃったんです。「ギルガメッシュないと」が終了したのは僕が33歳の時でした。深夜のイメージが強すぎて、朝ダメ、昼ダメ、夜ダメとなってしまい…。ほかの番組にこんなにはじかれるのかと大変でしたね。憧れの欽ちゃんを目指してクリーンな方向性にシフトチェンジしようとしましたが、やっぱりそれも難しかったですね。
「イジリーくんしかできない伝統芸」出川哲朗の言葉に救われた過去
――そんなご苦労があったのですね。とはいえ、今は吹っ切れている印象を受けるのですが、何か転機があったのでしょうか。
「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で「楽屋探訪」の仕事をいただいたことがきっかけです。僕、「ギルガメ」が終わってから、高速ベロのネタのことをすっかり忘れてたんですよ。だから、オファーが来た時は「楽屋で何をすればいいんだろう?」と疑問だったんですけど、「あ、そうか。俺にはベロがあったんだ」と思い出して(笑)。それで、楽屋にある女性アイドルの私物をベロで舐めたら、この時の放送回がものすごい反響だったみたいなんですよね。
――そういった経緯で、「アメトーーク!」の名物企画「イジリー岡田の楽屋探訪」は生まれたんですね。
そうなんです。でも実は、マネージャーさんとは「一回で終わりにして、二回目のオファーが来ても断ろうと思う」と話していたんです。でも、たまたま出川(哲朗)さんと会った時にそのことを伝えると、「あれはイジリーくんしかできない伝統芸なんだからやったほうがいいよ」「男がウオー!と歓声を上げて、女性はキャー!と引く。この2つの感情を同時に起こせる笑いはそうないんだから」ともおっしゃってくれました。その言葉に救われて、「出川さんがそういってくださるならもう一回やってみよう」と思えましたし、「アメトーーク!」が僕の考えを変えてくれました。
Paraviオリジナルドラマ「ギルガメッシュFIGHT」
動画配信サービス「Paravi」で毎週土曜(2023年1月1日[土]を除く)深夜1:15〜配信予定
https://www.paravi.jp/title/104986