映像化不可能といわれた二宮正明の同名コミックを柳楽優弥主演で映像化したヴィレッジ・サイコスリラー「ガンニバル」。2022年12月28日に配信がスタートするや、闇深い恐怖と緊迫感と描写のリアルさなども含めて大きな話題となった。1月11日には第4話が配信され、終盤に寺山京介という人物が登場。寺山の仮面の下は、“村人の誰かに喰われた”顔が。「村人が人を喰っている」というウワサがある供花村(くげむら)の“生き証人”と言えるこの人物を演じているのは高杉真宙。18日(水)配信の第5話以降、より重要度が増していくことになるのは間違いなさそうだが、ここで改めて高杉の活動と俳優としての魅力を紹介する。
高杉は1996年に福岡県で生まれた。2009年に舞台「エブリ リトル シング’09」で俳優活動をスタートさせ、2012年にはオーディションを勝ち抜き「カルテット!」で映画初主演を務めた。注目されるきっかけとなったのは2013年から2014年にかけて放送された「仮面ライダー鎧武/ガイム」だった。小学校6年生の時に女の子と間違われてスカウトされたという逸話があるが、端正で中性的な顔立ちは「仮面ライダー鎧武」の世界の中でも目立っていて、視聴者に強烈なインパクトを与えた。演じた役(呉島光実/仮面ライダー龍玄)がギャップのあるキャラクターだったということもあって、高杉の演技の幅広さもこの作品でしっかりと印象付けることに成功した。
同時期に「ファブリーズ」のCMに出演しており、CMの短い時間の中でもしっかりと存在感を示していた。父親役が熱い男・松岡修造だったが、3人兄弟の長男役の高杉は松岡とは対照的に涼しげな感じで、CMの中でいい感じにバランスを保てていたような気もする。
若手俳優の登竜門的な映像作品であるライダーシリーズとCMを経て、俳優として一つステップアップしたのが中島哲也監督による「渇き。」(2014年)。それまでの爽やかな好青年のイメージを覆すような不良・松永を演じ、役者として覚醒した感があった。
2017年の映画「PとJK」でも不良役を熱演。「ReLIFE リライフ」ではチャラ男を、「トリガール!」では秀才かつイケメンという役をコミカルに演じた。個人的にもすごく印象に残っているのが2017年に公開された長澤まさみ主演の「散歩する侵略者」。感情を見せず、無表情のままで残虐に殺人を犯していく“静かなる狂気”っぷりに目が離せなかった。
2018年、高杉は当たり役/ハマり役と言えるキャラクターと出会う。それが「賭ケグルイ」シリーズの鈴井涼太。ギャンブルの強さで生徒たちの階級が決まる私立高校の中で、鈴井は勝負に弱く、ヘタレ。周りが個性的なキャラばかりなので“モブキャラ”的扱いもされてしまうが、言ってみれば、ギャンブラーが多い中での貴重な常識人と言える。お人よしでだまされやすいが、そういうところが憎めない部分であり、愛されキャラである所以でもある。その後人気シリーズとなり、映画化もされているので、高杉真宙=鈴井涼太というイメージを持っている人も多いはず。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)