コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、スナイパーとしての任務中に組織の先輩から突然告白され、振り回される女の子を描いた『スナイパー女子が先輩にめっちゃ告白される話』をピックアップ。
作者のチャロスさんが2022年12月19日にTwitterに投稿したところ、3.6万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、チャロスさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
暗殺組織「HUIUCHI」に所属するスナイパー・エマは、ビルの屋上で待機しながらターゲットを狙撃する準備に入っていた。エマと無線でやりとりしながら命令を与える組織の先輩・ゼロは、「風が収まり次第オレの指示で放て」と指示する。次の瞬間、ゼロ先輩は「今だ」という狙撃命令とともにどさくさに紛れてエマに「好きです」と言ってしまう。
突然の告白に頭が追いつかないエマはターゲットを撃つのを一旦止め、発言の真意を聞くことに。任務中ながら「今しか言うタイミングなくて」と言うゼロ先輩に「今だけは絶対に違います」とツッコミながらも、スコープでターゲットを狙い続け平常心を保とうとするエマ。しかし、想いが溢れて止まらない先輩による無線越しの愛の告白についに我慢できなくなったエマは「頭にきたんで先に先輩のこと仕留めていいすか」と言うと、別のビルの上にいるゼロ先輩を目掛けて銃を何発も撃ち込み…。
ゼロ先輩による不器用ながらもストレートな愛情表現と、そんな先輩の愛の告白につい振り回されてしまうスナイパー女子の姿が面白おかしく描かれている本作。エマとゼロ先輩のテンポのいい掛け合いとシュールなやりとりも話題を集め、Twitter上では「めっちゃかわいい」「とても面白かった」「ギャグセンスと尊みが両立していて好き」「やりとりも反応も好き」「ハッピーで埋め尽くされた」「一昔前の恋愛みたい」「もう、一生ミッション失敗でいいな!」など多くのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――『スナイパー女子が先輩にめっちゃ告白される話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
もともとスナイパーとか殺し屋を描こうとは思っていなくて、「変なシチュエーションで告白される漫画」を描いてみたいなと思っていました。絶対今は言われないだろうっていう状況で告白されたら、受け手はどうしたらいいのかわからなくなってどんどんシュールな状況になるから漫画にしたら面白くなるかもと。
その後、「相手の姿は見えないけど無線越しに告白される」というシチュエーションを思いついたので、スナイパーと殺し屋の話になっていきました。
――“暗殺組織の先輩から想いを寄せられるスナイパー”という設定や、エマとゼロ先輩、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
暗殺組織ってなると「闇」とか「死」とか暗いものを連想させますが、誰かが誰かを好きになるというのは人間である限りどの世界にも平等に存在すると思うので、だったら徹底的にイメージとは真逆に振り切って、明るいラブコメ作品にしようと思いました。
キャラクターについては、仕事柄今まで恋愛を知らずに生きているのでとにかく不器用なヤツらを描きたいという思いがありました。先に思いついたのはゼロなんですけど、彼は手先は器用だけど他が全て不器用で、中でも対人との距離感だったり感情表現というのがとにかく下手な設定です。そしたらヒロインは一見クールだけど、どんどん空回りしちゃう女子にして、めっちゃ振り回されたほうが面白いのかなと思ってエマが誕生しました。
――本作では、任務を全うしたいのに翻弄されるエマと、ポーカーフェイスで愛を伝え続けるゼロ先輩、2人のワードセンスあふれる掛け合いも魅力的です。チャロスさんにとって本作を作画する上でのこだわりや、特に意識したことはありますか?
コメディ作品にしたかったので、とにかく2人の掛け合いにはこだわりました。それこそ、2人で「無線漫才」をやって、全てのページでクスッと笑ってもらいたいくらいの気持ちで作画しました。
あと、エマがちゃんと一流スナイパーであることも描かなきゃダメだと思っていたので、物理的に2人の距離を離して、何かあったら狙撃で対応する…という流れにしたのもこだわりのひとつかもしれません。
――本作の中で、チャロスさんが特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
3ページ目でゼロが1人でノリツッコミするシーンがあるんですけど、「本当にこいつ何言ってるんだ?」感があって個人的に好きです(笑)。
――チャロスさんは本作以外にも、お岩さんや猫娘、座敷わらしなど妖怪をモチーフにした作品をはじめ様々なジャンルの創作漫画を描かれているのが印象的ですが、漫画執筆全般においてのこだわりがありましたらお教えください。
とにかく読者の感情を揺さぶりたいというのが第一にあります。笑ったり泣いたり、なんとも言えない気持ちになったり…普段の生活であまり出てこないような感情を拙作を通じて引き出せたら凄く嬉しいことだなと思って漫画制作に取り組んでいます。
あと、妖怪漫画が多い理由としては、みんなが知ってるキャラクターだから入り込みやすいというのと、想像上の存在なので自分なりにアレンジしやすいというのがあって描いてます。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
本作は、掛け合いだったりシュールな笑いだったり、自分が好きだなと思う要素をたくさん詰めこんでいます。未熟な部分もありますが今後も出来る限り描き続けたいと思っていますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。
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