2023年1月から放送がスタートしたTVアニメ『アルスの巨獣』で初共演ながら“合体”して巨獣と戦うことになった森川智之と羊宮妃那。方や声優デビュー36年目にして、トム・クルーズの吹き替えを始め、野原ひろし(2代目)やセフィロス、羽田秀吉などで知られ、“BL界の帝王”の異名も持ち、声優プロダクションの取締役社長も務める森川。方や声優デビュー2年目で、オーディションにて初めてヒロイン役を射止めた新人声優の羊宮。元兵士で厭世的な“死に損ないの”ジイロと、人体実験場を逃げ出した純粋無垢な“二十二番目の”クウミ。劇中の関係性ともどこか共通点を感じる二人の初対面の印象や役柄への思いなどを聞いた。
——まず、本作の出演が決まって、シナリオを読んだ際の第一印象から聞かせてください。
【森川】画を見る前に台本を読んだとき、ファンタジューで冒険活劇っぽい雰囲気もありつつ、世界観や色味が想像しにくくて。“アルスの世界”がどういった世界なのかわからなかったので、ワクワクしましたね。実際に映像を見ながら台本をチェックすると、だんだん落としどころが自分の中で決まってきて。壮大な世界観の中の断片みたいな感じで物語が進んでいくのかなって思いながらも、読み進めていくに従って、いろんな謎が出てきて…。わからないことがありすぎて、「早く次を読ませてくれ!」っていう感じになりました(笑)。
【羊宮】ふふふ。私はオーディションを受けるときに、『アルスの巨獣』という題名から、きっと大きいものが出てくるお話なんだろうなって印象を受けて。台本を見ていくと、ト書きに「マンタの巨獣の群れが空を泳いでいる」って書いてあったんですよね。私の想像する巨獣は、東京ドームくらいのサイズだったので「これは空を覆い尽くしてるんじゃ?」とか考えちゃってました(笑)。
——羊宮さんはクウミ役でオーディションを受けたんですよね。
【羊宮】そうですね。クウミちゃん視点で“アルスの世界”に触れていったんですけど、クウミちゃんはとにかく食べることが大好きで、終始食べていて(笑)。題名から受ける印象とはまた違って、ほんわりとした気持ちになりました。
——森川さんはジイロ役です。
【森川】メインの役どころとしては、ずいぶんくたびれた役だなって思いましたね。
【羊宮】ふふふ。
【森川】かつて主演を演じていて、すでに終わった男みたいなところからスタートするのが僕の中では新鮮でした。自分の中で演じるやりがいの場所を与えられたことがうれしかったですね。わかりやすくヒーローからスタートするのではなく、すでに人生自体を達観していて、世の中を斜に構えて見ている。そこにはきっと、過去に背負うものが相当あるんだなと感じたし、冒頭でクウミちゃんと出会ったときも、特に反応もしてなくて。だから、最初は主役らしからぬ男みたいな、そんなイメージでしたね。
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