映画「ラーゲリより愛を込めて」が大ヒット上映中。主演を二宮和也が務め、第2次世界大戦後のシベリア強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留され、過酷な状況下でも生きることへの希望を捨てなかった実在の日本人捕虜・山本幡男(二宮)の半生を描いた作品となっている。同じ捕虜仲間でありながら昔ながらの帝国軍人として山本に厳しく当たる相沢光男を演じる桐谷健太と、過酷な状況下で心を閉ざしてしまう原幸彦を演じる安田顕に話を聞いた。
桐谷「“本当に僕が演じていいんだろうか”と悩みました」
――本作は実話を基にした映画となっていますが、どういったアプローチで作品に向き合ったのか教えてください。
桐谷:戦争映画で、さらに実在した人たちの話だと聞いたときに、「本当に僕が演じていいんだろうか」と悩んだんです。でも、今作を今の子供世代が見ることで、「戦争はイヤだな」と思ってくれたら、その意識が未来を変えてくれると思ったんですよね。それからは、気持ちを切り替え、より強い思いで挑むことができました。
安田「実話なので、より真剣に演じなければと思いました」
安田:どの作品もそうですが、実話となると、より真剣に演じなければという気持ちになりました。そういえば、桐谷さんが歌っている「海の声」は沖縄出身の島袋優(BEGIN)さんの作曲ですよね。あの優しさ、明るさって、いろんな歴史を経た沖縄だからこそ生まれた歌だと思うんです。今回の映画を経て、より戦争と対峙した桐谷さんが歌い継いでいく姿を想像すると、さらに深いものになるんだろうな、と思いました。ちょっと話がそれてしまいますが…(笑)。
桐谷:いえ、ありがとうございます! 今回は沖縄が舞台ではありませんが、同じ戦争で深い傷を負った沖縄の人たちって、何周も回った上で、「なんくるないさ」という言葉を使っているんです。なので、今作を見ていただいた方たちにも、最終的に“みんなが幸せな方がいいよね”という意識になってもらえたらいいですよね。
スタイリスト=岡井雄介(桐谷)、村留利弘(Yolken)(安田)
ヘア&メーク=岩下倫之(Leinwand)(桐谷)、横田早紀(安田)
衣装協力=ヴェルサーチェ(ヴェルサーチェ ジャパン)(桐谷)、CONFIANCE(安田)
■「ラーゲリより愛を込めて」
12月9日(金)公開
出演:二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人、寺尾聰、桐谷健太、安田顕ほか
監督:瀬々敬久
原作:辺見じゅん
脚本:林民夫
配給:東宝
公式サイト:https://lageri-movie.jp
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