タモリは最高の誉め言葉として「ジャズな人」という表現を使う。そんなタモリは草なぎについても「ジャズな人」と評す。「ジャズな人って何かって言うと、向上心がない人のこと」「誤解されちゃ困るけど、向上心がある人は、今日が明日のためにあるんだよ。
向上心がない人は、今日が今日のためにあるんだよ」「向上心=邪念ってことだよね」と語るのだ。芸能人は、イメージを大事にする。しかし、草なぎにはそんな“邪念”がない。常に自然体で様々な面を見せている。だからこそ複雑な役柄でも変幻自在にイメージを変えても、妙な説得力でそこに“在る”ことができるのだ。
※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2023年3月号
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