メル・ギブソンが製作・監督・主演を務めたスペクタクル超大作など歴代「アカデミー賞」作品賞をピックアップ

メル・ギブソンが製作・監督・主演

第68回(1996年)の受賞作「ブレイブハート」は、メル・ギブソンが製作・監督・主演を務めたスペクタクル超大作。物語の舞台は13世紀のスコットランド。幼い頃、侵略によって家族を殺され、大人になってからも愛する妻をイングランド兵に惨殺された主人公が復讐(ふくしゅう)に立ち上がる。

親子間のさまざまな問題や裏切り、恋愛模様など、スコットランド独立のために戦った“英雄”ウィリアム・ウォレスの生涯を描く人間ドラマも見応えがあるが、何と言っても壮大なスケールで展開される戦闘シーンは圧巻。思わず勇敢な心が内から湧き上がってくるほど。作品賞以外にも、監督賞、音響効果賞、メイクアップ賞、撮影賞を受賞した。

ミュージカル映画の最高傑作

最後は、“ミュージカル映画の最高傑作”と言っても過言ではなかろう名作「サウンド・オブ・ミュ－ジック」。ジュリー・アンドリュース扮する修道女見習いの女性が家庭教師となり、歌を通して厳格な家の子どもたちと心を通わせていく。子どもたちの父親である大佐との恋模様も描かれるが、何と言っても本作の魅力は劇中で流れる歌。「ドレミの歌」「私のお気に入り」「エーデルワイス」など、誰もが一度は耳にしたことがある曲ばかり。

第38回(1966年)の受賞作で、監督賞、編集賞、音楽賞、録音賞の5冠に輝いた映画史に残る名作。主演&助演女優賞、撮影賞、美術賞、衣装デザインを加え、計10部門にノミネートされた。これは「ドクトル・ジバゴ」と並ぶ同年度最多タイ。

授賞式まであと1カ月。まだ時間はあるので、2023年のオスカーが待ちきれない人は過去の名作に触れて見るのも良いのでは。

◆文＝小池貴之