ドラマ10「大奥」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)の第5回が、2月7日に放送され、「3代 徳川家光 × 万里小路有功編」が完結した。葛藤と業がうずまく内容だったが、そのなかで堀田真由“家光”と福士蒼汰“有功”の純粋に思い合う気持ちが浮き彫りとなって感動を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)
「大奥」とは
よしながふみの同名コミックを森下佳子の脚本でドラマ化した作品。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸のパラレルワールドを舞台に、ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を描く。
江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代、「赤面(あかづら)疱瘡(ほうそう)」と呼ばれる奇妙な病が日本中に広がっていった。この病は“若い男子にのみ”感染し、感染すれば“数日で死に至る”恐ろしい病であった。対処法も治療法も発見されず、結果として男子の人口は女子の1/4にまで激減し、日本の社会構造は激変した。男子は希少な種馬として育てられ、女子はかつての男子の代わりとして労働力の担い手となり、あらゆる家業が女から女へと受け継がれるようになる。江戸城でも3代将軍・家光以降、将軍職は女子へと引き継がれ、大奥は将軍の威光の証であるがごとく希少な男子を囲い、俗に美男3千人などと称される男の世界が築かれていくのであった。
嫉妬に苦しむ有功は手打ちを願う
有功は部屋子である玉栄に家光と子を成すように頼む。玉栄の子が世継ぎになれば掛け値なしに大事にでき、我が子のごとく思えると有功は告げる。驚く玉栄だったが、有功の意を汲んで家光の寝所に上がる。
ある日、有功は久しぶりに家光のお側にあがるように声がかけられる。有功が寝所で待っていると、家光が駆け寄ってきて、やっと子どもを授かったことを告げる。
あの者たちを抱かずに済むと喜ぶ家光だったが、有功は意を決して暇を願い、叶わなくば手打ちにして欲しいと申し出る。家光が他の男と褥を共にすることを耐え難く思い苦しむ、有功の限界の言葉だった。