アンコールでは、純白のドレスに身を包んだ鈴木が2期生楽曲「ゆっくりと咲く花」を一人で歌唱。曲中、感情が込み上げる瞬間もあったが、笑みを絶やさず最後まで歌いきった。
その後、鈴木は会場のファンと配信でこのセレモニーを見ているファンに向けて、「10年間振り返ると、出会いに恵まれた乃木坂46人生だったなと思います」とメッセージを送る。
「自分に誇れることは何一つとしてないけれど、私の周りにいてくれる優しい皆さんのことが唯一の誇りです」と感謝を伝える彼女は、この10年を「私は私なりに喜びをみつけながら、乃木坂46人生を楽しんできたつもりです。だから悲しい物語じゃなくて、楽しい記憶であってほしい」と表現。
続けて、卒業後について「いざ卒業して一人になって、どうやって頑張ればいいんだろうって、頑張り方が分からなくなってしまう自分がいます。今はちょっとだけお休みして、未来のことを考えて、そんな時間が私には必要なのかなと思いました。まだどんな未来を選択するのか、私の中でも決まっていませんが、頑張りたいと決心がついたときには、皆さんの前に戻ってくると思います」と告げる。
「最後にもう一つ、わがままを言っていいのなら、また私のことを見つけてくれたらうれしいです。今度は皆さんに見つけていただけるように、私が頑張らせてください」と力強く卒業メッセージを締めくくった。
「これからの乃木坂46がキラキラと輝き続けますように、そんな願いを込めて歌います」と、鈴木が乃木坂46人生最後の1曲として選んだのは、初期の代表曲「君の名は希望」だった。
最後の曲を歌い終え、鈴木が「本当に終わってほしくないって願っちゃうほど、幸せな一日になりました」と笑みを浮かべて話すと、彼女へのサプライズとしてグループを卒業した同期の伊藤かりん、伊藤純奈、相楽伊織、新内眞衣、堀未央奈、山崎怜奈がステージに登場。驚きつつ涙を浮かべる鈴木に対して、次々と労いの言葉をかけていった。
そして、新キャプテンの梅澤美波も「絢音さんが守ってきた乃木坂46をこれからもしっかり守っていくので、見ていてください」と頼もしい言葉を寄せると、対する鈴木も「これからもみんなが楽しそうにしている姿を見るのが、私の楽しみです。これからも無理せず頑張ってね!」と優しい言葉を伝える。
最後に「本当に人生で一番美しい日になったんじゃないかなと思います。皆さまのおかげです」と鈴木が改めて感謝を口にすると、客席からは「新しい世界へ」「ありがとう」のメッセージが書かれたメッセージシートを掲げるサプライズも。「次に進んでいく未来も、今日卒業を決めたことを後悔しないような人生にできるように、これからも頑張っていきます!」と強い意志を伝えて、卒業セレモニーは終了した。
しかし、その後もアンコールを求める拍手や歓声は鳴り止まず、再びメンバーがステージに勢ぞろい。最後の最後に肉声で「ありがとうございました!」と感謝を届け、深々とお辞儀してから、改めてセレモニーを締めくくった。
これでグループ黎明期を築いた1、2期生は全員が卒業。翌日の3月29日には3~5期生のみで作り上げた32ndシングル「人は夢を二度見る」がリリースされる。
◆文=西廣智一