――およそ千年前の華やかな京都を舞台に演じる楽しみはありますか?
たくさんの楽しみがありますが、なんと言っても衣装でしょう。言葉少ない時代に、人々は衣服で自分たちの「個性」や「想い」を主張していたはずです。色の重ねも、そのバランス感覚も見事で、独特な芸術に包まれています。役作りにも大きく関わってくる事なので、皆さんの衣装が美術の背景にどの様に溶け込んでいくのか楽しみであります。
――古都京都の印象や思い出をお聞かせください。
今年の2月に、京都の南座で座長を務め舞台に立ちました。400年前の演劇発祥の芝居小屋、劇場入りした際にとてつもなく「偉大な大きな何か」に心を鷲掴みにされました。着物で歩く現代人達もタイムスリップさせ、当たり前に思わせてしまう京都は大好きな日本の魅力溢れる場所であります。