テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第9回は「突然ですが占ってもいいですか？」(毎週月曜夜11:00-11:40、フジテレビ系)をチョイス。
朝、テレビをつければ「今日運勢が一番いいのは〇〇座！」と教えられ、雑誌にはたいてい占いのページがある。世の中にはたくさんの占いがあふれていますが、「突然ですが占ってもいいですか？」は向こうから占い師さんが「あなたを占ってもいいですか？」とやってくるのが新しい。
人気の占い師さんたちが街で出会った人や有名人ゲストを占うこの番組、中にはあまり占いを信じていないと言う人もいますが、占い師さんたちの「何年前にこんなことがあったんじゃありませんか？」などの指摘が当たり始めると、だんだん前のめりになって話を聞くようになるの、気持ちがわかる。俳優さんやタレントさんも、普段テレビで見せているものとは違う表情で、今まであまり話してこなかったような過去の経験や今の悩みなどをポロッと口にしてしまう瞬間もあって、占い師さんってすごいなあ……と思います。
占いでいろいろと当てるのももちろんですが、それに加えて短時間で相手の心をオープンにしてしまう技術がすごい。以前、私も占いをしてもらった時に感じたのですが、占い師さんって聞き上手で、話しているうちに誰にも言っていなかった秘密や、自分でも悩んでいると自覚していなかったものごとまで、思わず打ち明けてしまうんですよね。占い師さんに話をしているうちに涙ぐんでしまうゲストもいて、ついもらい泣きしてしまうこともあります。この番組の占い師さんたちは、あまりおどすようなことを言わず、ラストでは「未来にはこんないいことがあると思います」という希望を持てる話をしてくれるところも好きです。
この番組を見て、自分が占われたわけでもないのになんとなくスッキリするのは、ゲストの人たちが過去のつらかった話を打ち明けたあとで、うれしそうな笑顔になって終わってくれるからかも。そして、世間的には成功しているように見える有名人の皆さんにも、それぞれ悩み事があるのは自分たちと変わらないんだなという気持ちになって、ますます彼らのファンになってしまうところも、いいなあと思っています。
■イラスト・文／渡辺裕子
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