
本日2月23日公開の映画「湯道」を記念し、主演の生田斗真が出演するフジテレビドラマ6作品が、民放公式テレビ配信サービス・TVerで無料配信中だ。その中から、今回は2007年放送のドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」(フジテレビ系)をピックアップ。生田のコメディアンとしての才能を開花させた伝説的学園ドラマの魅力を改めて紹介する。
「イケパラ」でコメディセンスが開花
“ジャニーズきっての名優”と名高い生田は、1997年のNHK連続テレビ小説「あぐり」で子役としてデビュー。俳優歴は実に26年と長く、これまでに数多くの映画やドラマに出演してきた。そんな生田をブレイクさせ、また、後に映画「土竜の唄」シリーズやドラマ「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」(テレビ朝日系)などでも見せつけた“コメディアン(喜劇俳優)”としての才能を開花させた作品が、ドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」(以下「イケパラ」、フジテレビ系)だ。
「花君(はなきみ)」の愛称で親しまれる中条比紗也の人気少女漫画を原作にした同作は、生徒を偏差値よりも顔で選ぶ全寮制男子校・桜咲学園を舞台にした学園ラブコメディ。ある理由で男装して桜咲学園に編入してきた主人公・芦屋瑞稀をめぐる恋の模様を描く。2007年版では堀北真希が瑞稀を演じた。
桜咲学園に通うイケメン揃いの男子生徒たちを演じたのは生田のほか、小栗旬、水嶋ヒロ、岡田将生、鈴木亮平、木村了、溝端淳平…と、今思えば豪華すぎるキャストたち。当時の人気イケメン俳優のみならず、校長役で松田聖子、教員役で稲垣吾郎が特別出演していたりと、これほど贅沢に出演者を集めたドラマは後にも先にも滅多に見つからないだろう。きらびやかな世界観とともに繰り広げられる、瑞稀を取り巻く恋愛模様に、当時ティーンだった視聴者は毎週ワクワクさせられた。このドラマが放送された翌日は教室で「誰派?」「私は〇〇派!」という会話で大いに盛り上がったものだ。
誰からも愛される“元祖当て馬”を体現
女たらしだけど頼れるみんなの先輩、霊感体質の不思議系男子、男気溢れる空手部の主将、ちょっと情けない究極のナルシストなどなど、桜咲学園には多種多様なイケメンが揃う。どのキャラクターも魅力的で、誰が好きかは意見が分かれる。しかし、その中でも特に人気だったのが、生田演じる2年生の中津秀一だ。
明るい茶髪をワックスでピンと立たせ、ズボンは常に腰パン。当時はギャル男と呼ばれていたような見た目に違わぬ、チャラチャラとした性格の中津。その実、おばあちゃん思いの優しいところもある彼は、寮対抗リレーで、怪我してもなお一生懸命走る瑞稀の姿を見て心を入れ替える。そして瑞稀と友情を育もうとするが、高鳴る自分の鼓動に気づいてしまう。この気持ちは果たして友情なのか恋なのかと、瑞稀を男だと思い込んでいる中津が思い悩む姿が印象的だ。特に“中津劇場”と呼ばれる独白のシーンは、面白いわ可愛いわで視聴者の感情を渋滞させた。
また、基本的にコミカル担当の中津が時折見せる男らしい姿にキュンとさせられることも。第10話で瑞稀が思いを寄せる佐野泉(小栗旬)と言い争いになった際、中津が「俺にしとけよ。お前が誰を好きでも構わねえ」と後ろから瑞稀を抱きしめ、告白するシーンに悶えた人も多いのではないだろうか。ドラマ史における元祖当て馬とも言える、切なくて応援したくなる愛されキャラを体現した生田。彼なくして、「イケパラ」は最高視聴率20%越えの人気を誇るドラマにはならなかったと言っても過言ではない。

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