さらに今作はNetflixと劇場で同日に公開となるが、それに関して有村は「演じる上ではNetflixだからとか劇場とか分けてはないですけど、劇場ですとこういう特別な空間で、非日常的な気持ちが味わえると思いますし、『映画館に行く』という日常の楽しみの一つになれるので、特別な時間を過ごせるのかなと。Netflixは何度でも見返せて、またその役に自分が好きな時に会えるという楽しみ方があるかなと思います」と、それぞれの利点を語った。
なお、本作は劇場でしか見られない特別な映像もあるそうで、今泉監督は「劇場用の特典映像がエンドロールの後に2、3分のシーンがあるので、Netflixで見た後に気になった方は映画館でも見ていただければと思うんですけど、試写で通して見た時に、思った以上にいい映画になっていて…。エンドロールで十分満足していたので、おまけ映像が余計だった説もあって(笑)。それがどういうことなのかも含めて映画館に来てほしいです」と呼び掛けた。
最後に有村は「原作ファンの方もたくさんいらっしゃると思うんですが、今泉さんが“今泉流”の世界観で作品を作ってくださいました。キャストの方々皆さん穏やかに、素晴らしいお芝居が詰まっていますし、公開と同時に(配信で)たくさんの方々に見ていただける機会もそうそうないので、私自身もこの作品がどう届くのか楽しみにしております。今日はありがとうございました」と丁寧にあいさつし、締めくくった。
同作は、月刊漫画誌「Eleganceイブ」(秋田書店)で2013年から2018年にわたって第一部が連載された、安田弘之の漫画「ちひろさん」が原作。元風俗嬢の主人公・ちひろ(有村)が、とある海辺の町の小さなお弁当屋さんで働きながら、心に傷や悩みを抱えうまく生きることができない人々と交流し、彼女の言葉や行動がそれぞれの生き方に影響を与えていくストーリー。Netflixとアスミック・エースの共同製作映画として、2月23日(木)よりNetflixで全世界配信、全国の劇場でも公開。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)