コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップするのは、凄腕の殺し屋が任務のために魔法学校の教師になる物語『先生!僕たちが世界を滅ぼします。』だ。
作者の小林キナさんが2月7日に本作をTwitterに投稿したところ、1.4万を超える「いいね」が寄せられ、「続きが気になる」「好きな要素もりもり」「ワクワクがとまらない」などといったコメントが集まった。この記事では小林キナさんに話を伺い、創作の裏側などを語ってもらった。
ターゲットは誰?殺し屋が落ちこぼれクラスの担任として潜入した理由とは
「受けた依頼は必ず完遂する」ーー業界で知らない人はいない凄腕の殺し屋・No.0(ナンバーゼロ)は、"魔法学校"に教師として潜入し、ターゲットを始末する依頼を受けた。「標(ターゲット)は学校関係者だ」とだけ告げられたまま教師として潜入したが、No.0が担任を受け持つことになったのは、学園で成績底辺の"落ちこぼれ"クラスだった。
慣れない教師生活に嫌気がさしてきた頃、クラスに転校生・イブキがやってくる。実は、イブキはただの生徒ではなく、No.0の相棒として国家機関である魔法局の暗殺部隊から送りこまれた殺し屋だったのだ。イブキと夜の学校を見廻りながら任務について話していると、生徒の1人・ミーコが変身の練習をしていた。するとミーコは自分の意志をコントロールできないままドラゴンへと変身してしまう。
このミーコこそが今回のターゲット。ミーコは将来的に国の脅威になりうる危険人物と予知された"悪い魔導士の卵"だったのだ。変身をコントロールできなくなったのも、悪い才能が覚醒する前兆だという。ミーコを始末しようするイブキだったが、「まだ悪いことをしていない子供は殺せない」とNo.0は任務の遂行を拒否し…。
偽りの教師として潜入した殺し屋と、そのターゲットたちが繰り広げる学園ファンタジーに、Twitter上では「先生かっこいい」「みんなの未来が楽しみ」「ファンタジー好きにはたまらない」「演出もキャラの個性もいい!」「アニメ化希望」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
「『読んでいる人が疲れないように』というのを常に意識」作者・小林キナさんが語る創作の裏側とこだわり
――『先生!僕たちが世界を滅ぼします。』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
元々ファンタジーものが好きだったのと、中学生から高校生くらいの少年少女達を描くのが好きなので、それを同時に描ける舞台をと考えていたら魔法学校モノに行きつきました。そこからは単純に担当さんと打ち合わせを重ねて今の話が出来上がった…という感じです。
――本作は凄腕の殺し屋が教師になるというギャップがすごい学園ファンタジー作品ですが、描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
教師からは真逆のような立場にいる主人公が生徒達と関わってどう変化していくか、この主人公ならではの価値観でどう生徒達の問題を解決していくか…という点を大事にしているので、そこを見てほしいかなと思います。
絵としては魔法を使うシーンのキラキラな画面作りにこだわっています。あと、どの作品でもキャラの表情は大事にしているので、それを見てほしいです。
――本作の中で、小林キナさんが特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
主人公の独白にある「俺は俺が評価されるこの仕事が好きだ」というセリフです。設定や世界観がファンタジーの中でも、主人公の原動力は私達や読者の皆さん誰もが持っている、現実の感情と近いものにしたいと思っていたからです。主人公の承認欲求を表すお気に入りのセリフです。
――本作は、マンガUP!で今後も連載が続いていきますが、これからの見どころをお聞かせください。
主人公と生徒達との関係性の変化と、生徒達がそれぞれ持っている秘密ですかね。個性的な生徒達がたくさん出てくるので、読者さんに"推し"を見つけてもらえたら嬉しいですね。
――小林キナさんが描く作品は、学園ものの中に「性転換」や「女装」などのスパイスを加えた設定での作品が多いようにお見受けします。漫画創作全般においてのこだわりや作品を生み出す際に意識していることはあるのでしょうか?
特に意識してなかったのですが、昔から自然とそういうお話を思いつくことが多かったんです。専門学生時代、先生に「君は性別を描くことに興味があるんだね」と言われて、初めて意識しました。振り返ってみると、子どもの頃からそういう作品が好きだったなぁと思い、自分で自分の好きなものに気づいてなかった…という感じですね。今はハッキリと、そういうものを描くのが好きという自覚があります。
漫画創作において、何より大事にしているのは“読みやすさ”です。完璧に出来ている自信はありませんが「読んでいる人が疲れないように」というのを常に意識しています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます! 本当にとても励みになっています。偽教師と落ちこぼれ問題児たちの青春学園ファンタジー、これからもどうかよろしくお願いします!!