有言実行した一星の姿にホロリ
鈴は一星と出会い、いつしか笑顔を取り戻した。前職で心身のバランスを崩した春もそうだった。そんな一星には、亡くなった両親の遺品整理で出会った千明や、引き取って育ててくれた祖母・カネ(五十嵐由美子)の存在があった。そして、今回、カネが急性心筋梗塞で倒れたとき、病院に駆けつけてくれた鈴がそっと抱きしめてくれた。
ラストで自ら命を絶とうとした伴は、追いかけてきた鈴に「こうするしかないんだ。あなたにひどいことをした、わかってる。だから優しくしないでください。歩み寄られたら、耐えられない。あなたがいい医者じゃ困るんですよ。お願いです。嫌な人でいてください。悪い人でいてください。じゃないと、ゴールがもうないんです」と胸の内を明かした。
鈴、そして深夜を振り切って海に向かおうとする伴だったが、娘の「お父さ~ん」という声に立ち止まる。その娘を連れてきた一星は、声を上げて泣く伴を宣言通りに抱きしめた。その温もりは伝わったはずだ。
鈴や一星の優しさの波及が胸に沁みる展開でタイトルがTwitterのトレンド入り。そんななか、次回、最終話の予告にあった、伴が一星たちと銭湯の湯に浸かっている場面にも関心が。けしてその行為は許されるものではないが、突然愛する妻を失った悲しみ、やり場のない憤りをぶつけてしまった伴が立ち直ってくれることを願う声が上がった。また、鈴が心配していた深夜の心が救われることにも注目したい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部