東出昌大が、3月11日に都内で開催された主演映画「Winny」の公開記念舞台あいさつに登場。W主演を務めた三浦貴大、共演の和田正人、メガホンをとった松本優作監督と共にトークを行い、夭折の天才プログラマー・金子勇氏を演じる上で意識したことや、心掛けたことなどを語った。
こんなに純真無垢な方を演じられる機会はない
3月10日に公開を迎え、早くもSNSなどでもさまざまな反響が上がっている本作。あらためて主人公である「Winny」の開発者・金子勇氏を演じたことについて、東出は「生前の金子さんを知る方で金子さんを悪く言う人は全然いらっしゃらないし、金子さんも人を悪く言ったり、愚痴ったりするのが極端に少ない方。こんなに心のきれいな、純真無垢な方を演じられる機会はなかなかないです。僕の今までやってきたお芝居の中で、僕に割り振られた役の中でも特別魅力的な金子勇という実際の人物がいたということが幸運だし、名誉でした」と万感の思いを語る。
また、そんな魅力的な人物を演じることへの役作りについて「僕も愚痴らないようにしようとか、金子さんの持っている浮遊感みたいなものも含め、ポジティブな感じとか、そういうふうに日常から心掛けました。あとは自分の仕事のことを大々的に言うのは気恥ずかしいんですけれど、金子さんがプログラミングに没入して、それしか表現の術がなかったように、僕も金子さんになるんだったら“自分には芝居しかない”と思って演技に没入できればと。それしかないんじゃないかと思って役に臨んでいたので、とにかく演技に没入する期間でした」と、ひたすら芝居に“没入”したという。
「とにかく金子勇になる」ことを意識
実際の事件を描く作品ということで、意識したことや気を付けたことについては「生前の金子さんを知る壇(俊光)先生、弁護団の方々、お姉様にお会いしてお話を伺って人物像を作ったんですけれど、金子さんがどういうふうに見られてほしいとか、どういうふうにお客さんに思われたいっていうことではなく、皆様から金子さんのお話を伺って、僕も裁判記録とか今までの金子さんのインタビューとかいろいろ見て、『金子勇になれば絶対に金子勇の魅力は届くから、とにかく金子勇になろう』と考えて。漠然としたようで針の穴を通すような話なんですけど、(自分が)金子勇になれればいい映画になるんじゃないかと思って、そうなることばっかり考えていました」と魅力的な人物像をそのまま伝えるべく、“金子氏になる努力”をしたことを明かした。