今シーズン、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)の公式戦324試合を生中継するABEMAを盛り上げる「ABEMA BASEBALL SPECIAL SUPPORTER」に就任した川崎宗則氏。「WORLD BASEBALL CLASSIC 2023」(以下、WBC)に向けて開催された「侍ジャパン強化試合」(以下、WBC強化試合)では、西岡剛氏との砕けた雰囲気のW解説も話題になったが、「野球を知らない視聴者の方々にもわかるようにざっくばらんなノリで解説できれば」と意気込みを語る。また、今回のWBC日本代表優勝の要因については、若手選手と積極的にコミュニケーションを取り、「野球ぐらいで落ち込む必要はない」と呼びかけたダルビッシュ有選手の功績を讃えた川崎氏。自身が出場した2006、2009年大会ではイチロー(鈴木一朗)氏が、今大会のダルビッシュ選手のようなプレイングマネージャー的な立場だったとした上で、「イチローさんは先頭で闘うタイプのリーダー」と振り返った。※川崎宗則氏の「崎」は、たつさきが正式。
WBC出場が子供たちの夢にもなっている
――この度は「ABEMA BASEBALL SPECIAL SUPPORTER」への就任、おめでとうございます。まずは初仕事として3月31日に行われる大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスの開幕戦の解説を、同じくスペシャルサポーターの西岡剛さんと務めるとのことですが、お二人のABEMAでの解説は3月6日に行われたWBC強化試合でも話題になっていましたよね(※インタビューは3月30日に実施)。
川崎:ありがとうございます。WBC強化試合の時は、プライベートでも仲の良い西岡剛さんと一緒だったこともあり、本当にやりやすくて、良い解説ができたのではないかと思います。砕けた感じでやらせてもらったにもかかわらず、それでもまた今回、スペシャルサポーターに就任させていただいたということは、ABEMAの偉い方の怒りがちょっとは収まったのかなと思います(笑)。
――いやいや、誰も怒っていないと思いますよ(笑)。
川崎:良かった(笑)。引き続き、野球を知らない視聴者の方々にもわかるようにざっくばらんなノリで解説できればと思います。とはいえ、野球が好きな方からすると、ちょっとうるさいかもしれませんが(笑)。
――ABEMAでは、MLBレギュラーシーズンの公式戦324試合を生中継していますが、これについてどう思いますか?
川崎:いや、すごいことですよね。一昔前までメジャーリーグ中継といえば、地上波などで日本人選手の所属チームの試合しか放送されていないものだったのに。現在日本でも、WBC効果でたくさんの人がメジャーに興味を持ってくれていると思うので、スペシャルサポーターとしてその魅力を伝えていきたいです。
――WBCのお話が出ましたが、第五回目となった今大会の盛り上がりについて、川崎さんはどう見ていたのか教えてください。
川崎:大谷(翔平)選手やダルビッシュ(有)選手をはじめとした現役メジャーリーグの選手と、日本の素晴らしい選手たちが快く出場してくれたおかげで、3月は日本中が野球に注目していたのではないか思うほどの熱気でしたよね。僕も2006年、2009年のWBCに出場していますけど、当時はできたばかりの大会ということもあって、多くの人が「どういう大会なんだろう?」という気持ちで見ていた気がします。だけど、今回はみんなが知っている大会として多くのメディアが積極的に取り上げてくれたおかげもあり、それ以上の盛り上がりになったという印象があります。
――実際に、WBCというものが世間に今ほど認知されていなかった2006年の第一回大会の時は、選手としてどんな心持で臨んだのでしょうか?
川崎:当然ながら僕らが子どもの頃にはWBCはなく、そこを目指してプレーしたことはなかったので、当時の王(貞治)監督から声をかけていただき、初開催の大会に参加することが決まった時、最初は不思議な感覚でしたよ。でも、アメリカへ行ってやればやるほど、特に決勝のキューバ戦ではものすごい盛り上がりでしたし、終わってみて「やって良かったな」という気持ちになりました。
――川崎さんはWBCだけでなく、2008年の北京五輪にも出場されていまよね。国際大会へのこだわりなどはあったのでしょうか?
川崎:いや、こだわってはいないです。その時々でチームを率いる監督からお話をいただき、出たかったら出て、そうでなければ出ないだけなので。僕は、日本代表への思い入れは基本的にはありません。日本代表を目指して野球選手になったわけではなく、もともと「プロ野球選手になりたい」と卒業文集に書いてたので。でも今の子どもたちは違いますよね。「WBCに出たい」と卒業文集に書いている子もいる。その夢を叶えるために出場を目指すべきだと思いますけど、当時の僕にとって夢ではなかった。僕は、自分の意思を尊重し「このボスのもとだったら野球ができる」と判断したら出場するだけ、「川崎が必要だ」とお話をいただいたら行くだけなんです。結局、野球選手は一人ひとりが社長なので。みんな自分で決める権利があるから、嫌だったら辞退してもいい。それも正解だと思います。
ダルビッシュ選手のメッセージが日本代表にとって大きな力に
――なるほど。では、改めて今回のWBCでの日本代表優勝の要因は何なのか、川崎さんのご意見を聞かせていただければと思います。
川崎:栗山(英樹)監督がダルビッシュ選手やヌートバー選手、大谷選手など、メジャーリーグの選手たちを呼んできてくれたこともそうですし、それに何といっても、ダルビッシュ選手が宮崎のキャンプの時から若い選手としっかりコミュニケーションをとったり、「野球ぐらいで落ち込む必要はない」とメッセージを発信したりしたことが大きかったように思います。「野球ぐらいで…」という考え方は本当にそうなんですよ。所詮、野球なんです。野球というスポーツは戦争でもないし、喧嘩でもない。国を背負うと意識する必要すらないんです。それを意識すると、野球ではなくなると思います。野球はプレイボールからスタートする。「ボールで遊べ」と始まっているのに、「プレイ(トゥ)ウィン」と言われたら、誰も野球なんかしません。だって勝ちなんて見えないんだから。勝ち負けなんて所詮、ルールが決めるだけのことですから。
――あれだけ注目度の高い試合に出場するとどうしても気負ってしまうから、どこかで「野球ぐらいで落ち込む必要はない」と割り切ることも大切だと。
川崎:そう。そこをダルビッシュ選手がほぐしてくれましたよね。大谷選手が「絶対に勝ちたい」という気持ちを見せる一方で、ダルビッシュ選手が「野球ぐらいで落ち込む必要はない」と言ってくれたおかげで、バランスが取れていたように思います。どちらが欠けてもダメだったのではないでしょうか。
――お話に出たように、今大会ではダルビッシュ選手がプレイングマネージャー的な立場を務めましたが、川崎さんが出場された2006、2009年大会時、そのポジションを担ったのは、やはりイチローさんだったのでしょうか?
川崎:そうですね。やっぱり、イチローさんがそういった立場でキャンプから参加してみんなを喜ばせてくれました。僕らもイチローさんと一緒に練習したことで、合宿期間から非常に良い関係を築くことができたと思います。
https://abema.tv/video/genre/mlb
▽週末の注目無料試合
4月22日(土) 10:38〜:エンゼルスVSロイヤルズ 無料生中継
※同じく「ABEMA BASEBALL SPECIAL SUPPORTER」の里崎智也氏が解説予定
4月23日(日) 10:07~:エンゼルスVSロイヤルズ 無料生中継
「ABEMA」では、試合の名場面や日本人選手の活躍を試合終了後から楽しむことができる「ハイライト映像」を無料で視聴可能です。さらに注目試合は、日本語実況および解説つきでお楽しみいただけます。「ABEMA」でお届けする生中継日程などは、以下にて順次発表してまいります。
公式 Twitter:https://twitter.com/MLB_ABEMA
※放送日程、内容、放送形態は予告なく変更になる可能性がございますのでご了承ください。最新の情報は、ABEMA MLB 公式 Twitter をご確認ください。
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