2023年にソロデビュー10周年を迎えた中山優馬。先日おこなわれた8年ぶりとなるライブツアーでは、じっくりと磨き上げられたダンスと歌唱力でファンを魅了した。2月には記念アルバム「THE BEST and BEYOND」もリリースするなど、アニバーサリーイヤーとなる今年はより活発に動いている中山。さらに舞台・ドラマと多方面に活躍する彼の10年を振り返っていく。
歌に踊りに演技まで…才能の原石が歩んだ道
ソロデビュー以前から、さまざまな才能の片鱗を開花させていた中山。ファンの間では周知の事実だが、いまではジャニーズを代表する人気グループの数々に名を連ねていたのだ。
たとえばジャニーズWESTの前身ともいえるグループ「7 WEST」などがそうだ。重岡大毅、神山智洋、藤井流星、小瀧望といったメンバーを率い、「中山優馬 w/7 WEST」(wの読みはウィズ)というグループ名で活動していた時期もある。
さらにSexy Zoneの中島健人、菊池風磨、SixTONESの髙地優吾、松村北斗といったメンバーが集う「B.I.Shadow」と組んだ「NYC boys」も、中山を語るうえで欠かせない。同グループの「NYC」とは、現在Hey! Say! JUMPとして活躍する山田涼介・知念侑李と中山の頭文字を取ったネーミング。まさにドリームチームといえる布陣だ。
そんな輝かんばかりの経歴を持つ中山のソロデビューを飾ったのは、2012年に発売されたシングル「Missing Piece」。同楽曲は中山が主演を務めるドラマ「Piece」(日本テレビ系)の主題歌でもあった。
ソロデビューシングルにしてオリコンチャート2位を獲得し、続く2014年発売のセカンドシングル「High Five」も3位を記録。歌に踊りに、持ち前の才能を遺憾なく発揮した形だ。
一方、彼の活躍を語るなら外せないのが俳優としての一面。入所2年目にしてドラマ「バッテリー」(日本テレビ系)で初主演を飾った中山だが、徐々に舞台へと活動を移していく。「PLAYZONE」「ジャニーズ・ワールド」「ジャニーズ銀座」などといった事務所主催の舞台・ミュージカルに次々と出演し、2015年に新国立劇場で披露された舞台「ドリアン・グレイの肖像」では、単独で主演を務めるまでに。
ちなみに舞台「ドリアン・グレイの肖像」の主演については、演出を務めるグレン・ウォルフォード直々の指名だったとか。グレンは「タイタニック」「ブラッド・ブラザーズ」といった舞台作品で知られる巨匠。主役のドリアン・グレイは「老いていくのが自分ではなく、この肖像画だったら…」という願いを抱いてしまうほど自他ともに認める美青年であったため、端正な顔立ちの中山がイメージにピッタリだったのだろう。
舞台・ミュージカルで培った実力
舞台「ドリアン・グレイの肖像」をきっかけに、「DREAM BOYS」(2015年)「それいゆ」(2016年)「A NEW MUSICAL クロスハート」(2016年)といった作品で次々に主演を務めるようになった中山。歌唱とダンスで鍛えられたフィジカルを活かし、舞台で頭角を表していった形だ。
そして2018年の中山主演ドラマ「北斗―ある殺人者の回心―」(WOWOW)では、舞台で磨かれた演技力によって国際的な評価をも得ることに。「国際エミー賞」「モンテカルロ・テレビ祭」などと並んで世界最大級の国際テレビ番組の祭典である「バンフ・ワールド・メディア・フェスティバル」のDrama Series: Non-English Language部門において、同番組がロッキー賞を受賞。
同賞を獲得した際、中山は主演として「これからも皆様に素晴らしい作品を届けられる表現者になるべく日々精進したいと思います」というコメントを発表している。継続的な努力と、慢心のない成長志向が見て取れるというものだ。
ジャニーズの俳優がこうした賞を受賞をする際には必ず、「下駄を履かせてもらっている」という批判が付いて回る。しかしそんな評判を覆したのが、即興音楽舞踏劇「砂の城」(2022年)への出演だろう。即興で歌を紡ぎ、演じるという新ジャンルへの抜擢は、演出・池田純也の中山に対する強い信頼が見て取れる。同舞台を見た人からは、「演技の迫力がすごかった」「優馬くんの演技、特に怒りの時がすごい…。目から炎吹いてるのかと思えるくらいの圧があった」と高い評価を得ていた。
その後も舞台「ゲルニカ」や新ジャンルであるロック・オペラ「ザ・パンデモニアム・ロック・ショー」(2022)などで数々の功績を残してきた中山。今年6月には坂東玉三郎が演出を手掛ける舞台「星降る夜に出掛けよう」への出演も決まっている。
輝かしい才能の持ち主である中山だが、それでいて活躍ぶりを鼻にかけるような性格ではないようだ。先輩グループであるふぉ~ゆ~の辰巳雄大や、過去には同グループで活動していた山田涼介、藤井流星などを筆頭に、周囲には年代を問わず友人が多い様子。
さらにMCを務めるBS番組「@YUMA HOUSE」(BSJapanext)は、ジャニーズの後輩であるJr.たちの「克服したい悩み」「挑戦に向けた相談」を聞いて解決に導くという主旨。面倒見が良くアニキ肌な一面も見せる中山に、SNSでは「優馬くんJr.たちへの包容力が海よりも広くて深い」「本当に楽しそうなJr.の子たち見ると、裏でも優馬くんが頼られてるんだろうなって感じられてイイ…」といったコメントが相次いでいる。
今年4月からは、先輩・坂本昌行が担当していた「ノンストップ!」(フジテレビ系)の料理コーナーを引き継ぐ形で「中山優馬のゆウマいご飯」がスタート。8年ぶりのライブツアー決行といい、ソロデビュー10周年の今年はいままで以上の活躍が見られそうだ。