菅田将暉が、5月5日に都内で行われた映画「銀河鉄道の父」初日舞台あいさつに、役所広司、森七菜、豊田裕大、坂井真紀、田中泯、成島出監督と共に登壇。
菅田将暉「たくさんランプが割れて大変だったんです」
本作は、世界中から愛される詩人で童話作家の宮沢賢治が「ダメ息子だった」という大胆な視点を軸に、大量の宮沢賢治に関する資料の中から父・政次郎について書かれた資料をかき集め、究極の家族愛を描いた門井慶喜の小説「銀河鉄道の父」を映画化したもの。
主人公・政次郎を役所、宮沢賢治を菅田、賢治の妹・トシを森七菜、賢治の弟・清六を豊田、清次郎の妻・イチを坂井、政次郎の父・喜助を田中が演じている。
オープニングでイーハトーブ子ども合唱隊が、賢治が作詞・作曲を手掛けた「星めぐりの歌」を合唱し、澄んだ歌声を聴かせてくれた後、キャストと監督が登壇。
印象的なシーンを聞かれると、役所はネタバレを避けつつ、「映像についてですが、宮沢家の物語は明治、大正、昭和と時代が移っていうわけですけど、それに合わせて“灯り”が変わってきます。最初はランプの灯りだけで撮影しています。その後、時代が変わるごとに灯りが変わって、明るくなっていくところもぜひお客様にも楽しんでいただきたい」と、成島監督のこだわりの一つである“灯り”について語った。
それを聞いた菅田は「たくさんランプが割れて大変だったんです。そんなに数があるわけではない貴重なガラスで出来たランプなんですけど、ちょっとお芝居がヒートアップして壊してしまうことがあって」と“灯り”に関する撮影時のエピソードを披露。役所が「僕たちがケガするよりも、スタッフはランプを気にしていて(笑)」と明かし、菅田も「替えがきかないですからね、ランプは(笑)」と笑顔で答えた。
印象的なシーンについて菅田は「宮沢賢治さんの作品が朗読などで出てくるんですけど、1か所、障子に電信柱の影が映っているんです、影絵みたいに。(「月夜のでんしんばしら」の)ドッテテドッテテドッテテって動く電信柱が。それを探してみてください」と回答した。
役所広司「五平餅、食べたかったの? ものすごくおいしかった」
森は「特に好きなのはラストシーン」と答えて、「この映画で2時間過ごした観る最後の数分間は、観た人しか感じられない何かがあります。夢か本当か、ゆめみごこちで撮影していたのでぜひ楽しみにしていてください。愛と夢に溢れたとても素敵なシーンです」とアピールした。
共演者への質問コーナーで、菅田は「途中、僕は食事制限があってあまり食べれなかったんです。その間、皆さんは何食べてたんですか?」と岐阜県恵那市での撮影期間中の食事について尋ねると、役所は「印象に残ってるのは、差し入れでいただいた五平餅。食べなかったの? ものすごくおいしかった。2本くらい食ったかな(笑)」と笑顔を見せた。坂井も「薄いかりんとうみたいなのを...」を話し始めると、役所が「あれもおいしかったね!」と食い気味に反応。
MCから「菅田さんは何を食べてたんですか?」と聞かれ、菅田が「近くのスーパーで買ったキャベツの千切りを食べてました。かわいそうでしょう? それが仕事なんです」と答えると、役所が「役者の鑑だね!」と称えた。
最後は、菅田が「これから観てもらえるということで、今いろんなネタバレを超えたお話もありましたけど、一回忘れていただいて、フレッシュに楽しんでいただけることを願っております。そしてきっと自分の家族だったり、いろんな人の顔が浮かぶと思いますので、ぜひ連絡を取ったり、会ったりしてもらえると、それがこの映画にとっての一番の幸せなのかなって思います」と、役所が「劇場に足を運んでくださったことだけでも十分なんですが、もしよかったら色んな人にすすめてください。ぜひお願いします」というメッセージを送り、舞台あいさつを締めくくった。
映画「銀河鉄道の父」は全国公開中。
◆取材・文=田中隆信