種(前山)が初詣に一緒に行きたがっていると穣が話すと、ふたつ返事で行く行くと返す豊。穣が屋台のおしるこですごいおいしい店があると話すと、豊は「絶対食べよう。初詣とかあんまり行ったことないから楽しみだな」と言う。自然と食べ物の話題が出るのが2人らしくて心温まるとともに、初詣にあまり行かないという発言に豊の孤独が感じられてしんみりとする。
階段を上る途中、穣は豊に「眼鏡貸して」と言って振り返り、「一回掛けて見たかったんだよね」と豊の眼鏡を掛けて見せる。豊の“彼パーカー”の次は穣の“彼眼鏡”が来て、どれだけ萌えを供給するドラマなのかと感謝が絶えない。
豊は「ありがとうね、いつも。穣がいてくれて良かった」と改めて礼を述べる。その言葉に胸を詰まらせる穣。穣は眼鏡を外して言葉を選びながら「礼を言わなきゃいけないのは俺のほうっていうか。覚えてないかもしれないけど、あのとき豊が先に声かけてくれたんだ」と意味深な言葉を告げると、おもむろに階段を降りて豊に顔を近づけ、静かにキスした。
ふいのことに驚く豊とともにこちらも息が止まってキュンとする。キスの瞬間をあえて見せない後ろ姿の構図に奥ゆかしさがあり、穏やかな本ドラマに合っている。ドキドキとしながらしみじみとさせられた。
◆構成・文=牧島史佳
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