【推しの子】第一話が大きな話題に
多くの主人公やヒロインを演じてきているが、「【推しの子】」の“アイ”も高橋にとっての代表的キャラの一人になっている。初回が90分の拡大版という破格っぷりで、話の展開も多く内容も盛りだくさんだったが、テンポ感が良く、見始めるとあっという間。この第一話に“アイ”のすごさ、魅力がギュッと凝縮されていた。初回はタイトルがTwitterの世界トレンド1位に、それ以降も毎週のようにトレンドランキングをにぎわせるなど、作品の人気に火をつける役割を十二分に果たした。
もともと原作の大ファンだったという高橋。声優・武内駿輔がMCを務めるYouTube「動画!はじめてみました【テレビ朝日公式】」内の声優番組「おねだり!声優フェス」にゲスト出演していた際に話していたが、オーディションがあるという情報を知った時に心拍数が上がり、「嫌だ!落ちたくない!」と思ったほどの“推しっぷり”。原作を読んでいた時は、アイではなく黒川あかねを意識して読んでいたという。あかねは劇団「ララライ」所属で俳優として活動している高校生。高橋は“役者に集中していてかっこいい”と感じて憧れていた、と。しかし、あかねの声を練習してみて「高橋李依じゃないな」と“ファン目線”で気付いたというエピソードも明かしている。
その自己分析力というのも高橋の大きな武器となっている。これまでに演じてきた作品でもそのキャラクターをプロファイリングして、性格などを理解してから演じるという“役作り”をすることが多く、あかねではなくアイで受ける時にも、原作をアイに絞って読み返してみるなど、しっかりとアイを理解してから臨んだ。そういった努力がありつつ、芸能の神様がいる神社で“神頼み”もした結果、アイ役を務めることとなった。
アイは苺プロダクション所属のアイドルグループ「B小町」のセンターを務めるトップアイドル。ステージで歌うシーンも登場するが、高橋はイヤホンズやソロアーティストとしても活動しているので、音楽や歌においても表現力が豊かで、アイという役にピッタリ。ステージ以外のアイは本心が分からないというか、繊細でミステリアスな部分も多いが、そんなギャップも巧みに表現している。
振り幅の大きな表現力
声優・高橋李依の魅力として、振り幅の広い“表現力”を挙げることができる。声がいい意味でニュートラルで、クールな感じやかわいい感じ、癒やし系など、いろんなタイプのキャラに合わせて声を変えることができる。それが表現力の幅広さにつながっているのだろう。それともう一つの魅力・特徴は、先述したが“プロファイリング能力”の高さ。キャラクターを分析し、どう演じたらいいのかをしっかりと検証している。
“整理収納アドバイザー”の資格を持つ高橋にとって、演じるキャラクターを分析し、それぞれ違うフォルダに情報を収納する感覚も持ち合わせているのではないかと思われる。演じるキャラが増えて、それこそ引き出しが多くなっても、必要な時にすぐに引き出せる。収納の達人的な部分も、声優の仕事に生かせているのではないだろうか。
アニメではないが、「アントマン」シリーズの最新作「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(ディズニープラスで配信中)で、シリーズ初参加となったが過去作からの流れの中で“キャシー”がどんなキャラなのかを分析して臨んでいるからこそ、スッと溶け込めることができたのだろう。
「【推しの子】」も今後の展開から目が離せない状況だが、あらためて高橋“アイ”に注目して初回を見てみることもオススメしたい。
◆文=田中隆信
▼Disney+で「【推しの子】」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/oshi-no-ko
▼DMM TVで「【推しの子】」を見る
https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=exeegpzuvbsr474crvddwhfvt
■【公式】Disney+(ディズニープラス)で「アントマン&ワスプ:クアントマニア」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/ant-man-and-the-wasp-quantumania/