有村架純“瀬名”を一喝 久保史緒里“五徳”が見せた“信長の娘”というプライドと呪縛<どうする家康>

松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。家臣による謀反の顛末が描かれた5月28日放送の第20回「岡崎クーデター」では、家康の長男・信康(細田佳央太)の正室・五徳(久保史緒里)が瀬名(有村架純)を「無礼者!」怒鳴りつける衝撃のシーンも。久保が、五徳の複雑な感情を想像させる演技で存在感を見せつけた。(以下、第20回のネタバレがあります)
「浜松の殿は頼りになりませぬなぁ」
「どうする家康」は、誰もが知る戦国武将・徳川家康(松本)の人生を新たな視点で描く物語。「リーガル・ハイ」シリーズ(2012年ほか、フジテレビ系)の古沢良太が脚本を務め、一人の弱き少年が乱世を終わらせるまでの奇跡と希望の過程をつづる。
信玄(阿部寛)亡き後も、武田軍の強さは変わらず。第20回では、信玄の三回忌を済ませた勝頼(眞栄田郷敦)が徳川領に攻め込む展開が描かれた。
岡崎城を守る信康は、苦戦。そんな中、五徳だけは涼しい顔で「浜松の殿は病で臥せっておいでとかで、頼りになりませぬなぁ」と無遠慮な口ぶり。第17回では信康に「武田を打ちのめしてやりなされ」と励ましの言葉をかけていたが、夫婦の間には溝が生まれてしまったようだ。
「私は織田信長の娘じゃ!」
微妙な立場もあってか、負傷した三河の兵たちに対して瀬名のように手当てに動くことはできず、物陰から見ているだけ。「このような汚い男どもに触れるなんてできません」と不用意に口にしてしまい、三河の者たちの前で瀬名に「汚いとは何事か。そなたも三河のおなごであろう」と叱責されると激高し、「私は織田信長の娘じゃ、無礼者!」と言い放った。
実際、この時期は信長が足利義昭(古田新太)を将軍の座から追い落とすなど力を強める一方で、家康は武田に領土を脅かされ続け、信長との力の差は歴然。そんな情勢も、五徳の態度を硬化させたのかもしれない。まだ10代の五徳にとって、大きすぎる“父・信長”の存在が誇りでもあり、同時に呪縛でもあったであろうことは想像に難くない。