嵐 千砂都のように「背中で語れる先輩になりたい!」
――ベルーナドームのMCで話していたことと重複するかもですが、改めて聞かせてください。3rdライブツアーをやり遂げる上で、始まる前はどのような心情を抱いていましたか。ツアーを通しての目標、自身の中で成長したいと感じていたポイント、あるいは不安・心配に思っていたけど乗り越えることができたエピソードなどについて、聞かせてください。
2期生が入ってきて、1期生という目線で言うと、ちょっとクサいセリフなのかもしれませんが、「わたしは背中で語れる先輩になりたい!」と思っていました。わたしたちが今まで走り抜けて来た1期生の道のりを、2期生はきっと合格の発表があってから、もしくはそれより前から、見ていてくれたと思います。だからこそ自分がもし逆の立場で、絶賛活動しているグループに途中から参加するってなった時に、どうしたらいいんだろうと考えて、プレッシャーや不安な気持ちが大きい2期生と向かい合おうと思いました。でもみんなとコミュニケーションをとっていくうちに、言葉で伝えることももちろん大事ですが、それよりも自分が行動で示したほうがきっとわかりやすいんじゃないかな、届きやすいんじゃないかな、と感じるようになって。なので3rdライブツアーでは、“嵐 千砂都”らしくいこうと!彼女は(スクールアイドル部の)部長でもありますし、そういう部分でもわたしだからこそ表現できる、ちぃちゃんのTVアニメ2期が終わった後の部長としての姿を2期生のみんなに見せていくことができたらいいなと思っていました。
――最後のMCで2期生へのメッセージ・感謝の気持ちを一番わかりやすく言語化したのが岬さんだったと思いましたが、「背中で伝える」も達成できたのでは?
できているといいですね (笑) 。でもライブを通してわたしがすごく嬉しかったことは、ステージ上で目が合った時のいい意味で吹っ切れたような表情や、自分から「この振り付けはもっとこうしたほうがいい」「上手の端に行くときにこのパフォーマンスしてみたい」とか、自分から率先してみんなが意見を言うようになってくれたこと。お互いが切磋琢磨しながら、いいライブを作り上げられたのではないかな、と思っています。
あと、大阪公演の時にLiyuuちゃんが会場の皆さんへ「9人のLiella!どうですか!」と言って、2期生みんながちょっと涙していました。1期生も2期生もどこか言葉にして皆さんに聞くことをためらっていたところでもあったので。皆さんが応援してくださっていることは普段からわかってはいたんですけど、いざ真っ直ぐ聞こうとなった時に、なかなか問いかけられるものではないのかなと。あそこでりーちゃん(Liyuu)が聞いてくれたのも彼女だからできたことだと思いますし、そこで2期生が流した涙というのはきっと今まで不安だったり、大丈夫かなと思っていたモヤモヤしたものが解消された涙だったのかなと思います。私自身も2期生のみんなとは普段からコミュニケーションはとっているんですが、ラストMCでのメッセージは、最後のステージで、今回のライブツアーを走り切ったというあの高揚感の中でしか言語化できなかったものだと思います。あの場だからこそより一層、「言葉の芯」みたいなものがみんなに伝わったらいいなと思って、言いましたね。
――あの時のメッセージは用意されていたんですか?
あそこで伝えようと思ったのは、2期生一人一人が不安を吐露していたりとか、「ここまでわたしが〇〇役として立つことができてよかった」というのを言っていたので、そのアンサーになるように「本当にLiella!に来てくれてありがとう!」という想いを、みんなのMCを聞きながら、少しずつ構築していった感じですね。
ずっと見守ってきた2期生の成長と絆
――3rdライブツアーは、22年12月の宮城公演に始まり、14公演に及ぶ大規模なツアーでした。レッスンやリハーサルも含めて、9人で過ごす時間も多かったのではないかと思いますが、ツアーを通して絆が深まった・お互いをよく理解できた、と感じた出来事・会話・言葉について教えてください。
絆が深まった点というと、やっぱり2期生かな。ちぃちゃんが部長だからなのか、わたしも2期生のことを見守るようにしていました。9人で初のリリースイベントの時に「WE WILL!!」と「私のSymphony ~2022Ver.~」を初めて披露させていただきましたが、その時の練習中は、9人ではあるんですが、わたしたち1期生5人がパフォーマンスをしていて、その1歩2歩下がった後ろの方から2期生が様子を伺っているような感じを受けました。これは立ち位置が後ろということではなく、精神的な意味で、です。みんなと同じ動きをしているはずなのに、動きに自信がなさそうだったりとか、これは本当に合っているんだろうか、という不安が練習からくみ取れる瞬間が多々ありました。そんな2期生が3rdライブツアーでは大きく成長してくれて。リハーサルをするごとに本当にみんなスポンジ並みの吸収力で、どんどん成長していくのがわかりました。わたしたち1期生が5人の時にこれまでやってきたことを、彼女たちもすごい速度で学んでいるんだなと、リハのたびに感じることができてうれしかったです。
特に鈴原希実ちゃんは、本当に真面目!ただ、のんちゃんはリハ中は基本的に挙動が怪しいんです。彼女の中で気になったところが多分たくさんあるのに、先生が「何か質問ある?」と言ってもその場で手を挙げることができなくて、「次の曲いくけどいい?」「あっ、大丈夫です」となった後に、先生にこっそり確認しに行ったり、よくわたしに聞きに来てくれたりとかしてくれていて。でもそれが3rdライブツアーの直前とかライブ中のリハーサルとか「すみません!」と自分から手を挙げて、みんながいるところで質問をしていて、わたしは親のように嬉しくなってしまいました。わたし自身も発表や質問することが苦手なタイプだったので、そういうところにも成長を感じることができて、めちゃめちゃ頼もしいなと思いましたね。
あと真面目というか負けず嫌いがすぐ顔に出るのが絵森 彩(笑)。本人も結構自覚はしているようなんですけど、振りができなかったり間違えたりしてしまうと、すぐに眉間にぎゅっとしわを寄せてぐぬぬ~な顔をするんです。そんな闘争心のようなものが目に見えてわかるんですが、今回のライブツアーのリハでも「できなかった!もうだめだ!」と自暴自棄になるのではなくて、すぐに周りに聞きに行ったりとか、自分と向き合ったりと、気持ちが落ちるというより「よっしゃ!次頑張ろう!」と立ち直るのがとても早くなったなと感じました。元々コミュニケーション能力が高くて人懐っこい子なので、遠慮とかはあんまりなかったんですが、うまく自分と戦っているんだなというのがくみ取れました。
3人目の薮島朱音。あかねは「どうしよう…できないよ…」という不安な気持ち、迷っているような気持ちが前に出ることがよくありました。だから、わたしもよく心配になっていましたが、彼女と実際に色々話をすると、一見ぽわぽわしているようで実はめっちゃズバっとものを言う子なんだとわかりました。そんな気持ちの強さがあってか、今回のリハではダンスや歌で苦手なところがあると、みんなを見て吸収しようという姿勢がすごく感じられました。あと練習と練習の間に他の子が先生に教えてもらっている時は、自主練をしているんですが、その時の練習の仕方があかねらしいんです。同じところをひたすら何回もやるのではなく、「なんでこれが違うんだろう?」と分析をしながら練習を積み重ねる姿が多く見えて、頼もしいな、成長したんだなと思いました。
大熊和奏に関しては、わたしは彼女が入ってきて、一番最初の振り付けを入れていく段階から「新しい先生が来た!」と思いました。今まであまり見たことのないようなダンスの表現方法に驚きましたね。わたしはメンバー一人一人のことを常に先生だと思って、みんなの良いところをたくさん吸収するようにしていますが、その中で「わたしもまだまだ足らないな…!」と、彼女の練習を初めて見たときに感じました。そして彼女も、そういう想いをわたしに対して思っていると伝えてくれて。その一方で、彼女が私に対して、尊敬の気持ちを強く持ってくれていることで、常に自分自身と葛藤しているような瞬間も多く見てきました。そんな彼女も今では堂々と隣に並んでいて、堂々とLiella!の1人としてパフォーマンスをしています。自分らしさを見つけるスピードが格段に上がったなというのを3rdライブツアーを通して感じました。
――4人のことをしっかり見てますね。
いや~やっぱり…リリースイベントに2期生との心の距離を詰めきれないまま臨んでしまったかなと思ったことが大きくて。それをきっかけに、わたしが2期生みんなを見ないと!という気持ちが強くなりました。ただ、それぞれコミュニケーションの取り方や性格も違うので、どうしたらより良く意思疎通できるようになるだろうと、悩んでいたのも事実です。先ほどの「背中で語る」ではないですけど、3rdライブツアーを走り切るなかで、これまで以上に2期生との絆が深められて本当に良かったです!