「問題っていうか、裏切り」という陽子の一言とともに、空気が凍る。佐倉夫妻も気まずそうに「今日もう、お開きにしたほうがいいかな」と促すが、陽子は「会長はどうして夫の会社に2億もの投資を?」と食い下がった。
「なぜ投資のことを…」とうろたえる昂太を無視して、陽子は徹郎が投資する2億円の使徒が“半分は借金返済に充てられる」ことを暴露。さらに「パパと仕事してたの…?」とショックを受けた様子の理央に対して動揺する夫妻に、「娘さんはこの2年間、週に数回の頻度で夫と寝てる」と衝撃の事実を告げる。
思わず「やめなさい!」と声を荒らげる徹郎の制止も聞かず、さらに「妊娠したんです。あげく、夫に振り回されて中絶した」と理央の現状を明らかにした。美南は衝撃のあまり顔を覆い、徹郎は苦痛をこらえるように顔を歪める。
そしてこの期に及んで一言も発さず、うつむく昂太を見て理央に「わかったでしょ。この人は逃げるしか能のない男なの」と続ける陽子。しかし「なのにこんな男に股広げて…」と続けた言葉には、さすがに徹郎も「いい加減にしろ!」と大声をあげた。怒りも相まってテーブルを叩く徹郎だったが、陽子の氷の表情は崩れない。
立ち上がった徹郎を見つめながら、「ちゃんと教育しなかったんですか?人の家庭を壊すのはあばずれのすることだって!」と陽子の声も荒くなる。涙を流しながら席を立つ理央にも向けられた強烈な罵倒。理央は怒りに任せて陽子に駆け寄ると、「クソババア!」と声を裏返しながら陽子の後頭部を叩いた。
その後も暴れる理央を、家族が取り押さえる。佐倉一家の嗚咽と悲鳴が響く混沌極まる食卓に、小さく「ごちそうさまでした」と告げて席を立つ陽子。家を出た陽子に追いすがってきた昂太は、「いくらなんでもやりすぎだろ!!」と激怒して見せる。
しかし陽子は一切揺るがない。「会長がスポンサーを降りたら、会社は倒産ね。基樹さんから聞いた」と事実だけを告げ、さらに「一度寝たら全部話してくれた」と自身の裏切りまで暴露。「俺に復讐するためか」と呆気に取られる昂太だったが、「最初は復讐だった。でも、すごくよかった。あなたよりずっと」という陽子の言葉を聞いて頭を抱える。
「なに?腹が立つ?汚らわしい?悔しい?」と詰め寄る陽子。厳しい視線を少しも揺らさず、「その気持ちを覚えておいて。それが私の気持ちだから」と畳みかけた。
「人を好きになるのは犯罪か?」と謎論理を展開する昂太に、陽子は「純愛なら許されると思ったら、ホントのバカね」「私もう決めたから。あなたと離婚する」と告げる。さらに条件として、「私と凪はあの家に住む。あなたはこの街から出て行って」という強烈な絶縁状を叩きつけたのだ。
それでも拒み、「凪にはまだ言わないで」とすがる昂太。しかし陽子は、残酷な真実をすでに知っているのだ。凪はパーティーの日、大好きな父が家族を裏切って愛人とキスしているシーンを見てしまったことを。その事実を知った昂太は、「あの子がどんな気持ちだったか、想像して」とだけ残して去っていく陽子の背中に、「あああああ!」とやり場のない感情のうねりをぶつけたのだった。
終盤にはサインの済んだ離婚届けと昂太の荷物一式が、昂太と理央が借りている部屋に届く。一方的に陽子が求めた条件に従うのを拒む昂太に、陽子は「そっちが闘うつもりなら仕方がない」と心を震え上がらせる声で告げる…。次回第12話の予告動画では、「パパを許してあげて」という凪からの一言も。愛する息子と怒りに燃える復讐心、陽子はどちらを取るのだろうか。
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