本作の主題歌「メロウ」(須田景凪)にこんな歌詞がある。「眩しくて眩しくて僕は目を逸らしてしまう」ーーこの曲は、本作に登場する全員の目線から歌ったものだとラストで実感した。
文化祭の全行程が終了し、全校生徒の前で立派な挨拶を披露した生徒会長の風上(CV:榎木淳弥)。要領が良い彼のことを、生徒会長になり損ねた副会長の高嶺(CV:津田美波)はどこかで羨ましく思っていた。だけど、風上が生徒会に入ったのは、学歴を重視する家族や親戚へのある種の抵抗でもある。
ミカ(CV:寺崎裕香)が「美人は得でいいな」と、誠(CV:潘めぐみ)が「仲良くなれるはずがない」と思い込んでいた結月(CV:内田真礼)が、そうやって人から距離を置かれることに傷つき、みんなの輪に入りたいと願っていたように、誰もが誰かを眩しく思っているのだ。
それはみつみと志摩も同じ。初めは田舎から上京してきたみつみが、都会的でスマートな志摩を眩しく思っていた。だけど、今は志摩が何にも染まらないみつみの強さを眩しく思っている。放課後、みつみを呼び止め、「また明日」と声をかける志摩。じっと目を見つめられたみつみはドキドキを隠せない。
眩しい光を直視するのは勇気がいる。だけど、目を逸らさずに見つめればきっといろんな発見があるはず。そのことに気づかせてくれたアニメ「スキップとローファー」。毎週火曜日の夜に癒しを届けてくれた本作に、SNSでは「素敵な群像劇」「完璧!」「期待を上回るラストでした」「素晴らしい作品をありがとう」と賞賛の声や、「いつまでも見ていたい〜」「この先もぜひアニメで」「2期待ってます!」と続編を希望する声が相次いでいる。
■文/苫とり子
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