だが、どこかしっくりしない思いを抱く心太朗に、「ひとつだけ方法があるかもしれません」と皆実が言い、2人の捜査は続いた。
そして、病で重体となった鎌田が運び込まれた病室を清二が訪れると、皆実と心太朗、続いて京吾も現れた。明らかになる真相。それは、皆実と心太朗が同じ母親の兄弟であったことだ。
「大物政治家や暴力団、土地取引など、何やら大げさな話題ばかりに目がいってしまいましたが、この事実を知り、触れてはならないパンドラの箱に入っているのは、もっと小さな秘密なのではないかと私は気付いたわけです」と皆実。皆実は心太朗に秘密裏に捜査一課の面々に協力してもらい、調べ上げていた。
ところが、ラスト33分、さらに41年前の事件の驚がくの真相と皆実と心太朗の行く末までがノンストップで描かれた。“パンドラの箱”の中にあったのは、清二が証拠隠滅のため皆実の家に放火し、さらに皆実の実父でもあった鎌田は2人の子どもを守るために清二の誘導で罪をかぶったという心太朗だけでなく、皆実にとっても「強く後悔する」ものだった。
清二が犯した大きな罪、そして親子の真実とそこにあった愛情。福山、大泉、上川、寺尾、そして津田の心震わせる演技が見事だった。なかでも、大泉の涙には、もらい泣きする視聴者が続出した。
「今期一番泣いたドラマ」「病室の大御所俳優さん5人でのシーン、迫力凄かった」「まさかラストマンでこんなにも号泣するとは思わなかった」「涙が止まらなかった」といった感想が寄せられた。
のではあるが、緩急のつけどころが実にうまい本作。最後にアメリカに帰る皆実の見送りに駆け付けた心太朗。感動の別れかと思いきや、皆実が「では、また来週」と告げ、心太朗は寝耳に水の「交換研修制度」で今度は自身がアメリカに行くという告知に唖然とした。
この状態に、大泉洋が出演して人気を博す北海道テレビのバラエティー「水曜どうでしょう」ファンが反応。同番組のドッキリ企画で内容を知らされない大泉につけられたテロップ「またしても何も知らない大泉洋さん」がこのドラマでも発動したと笑いを誘った。
涙にあふれ、笑いもいい塩梅で差し込まれた最終回。ロスや続編を希望する声も相次ぎ、タイトルがTwitterの国内&世界のトレンド1位になる反響で有終の美を飾った。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)