ストーカーの正体判明… 藤子に危機が
日常の一部にありつつあるベランダでの会話で、蒼真は「明日、1泊で出張なんです。藤子さんと話せないの寂しいなあ」と切り出す。そこでなにか思いついたのか、蒼真は連絡先を交換するために「スマホを貸してください」と相談。ストーカーらしき怪しい影もあることから、何かあったときに連絡できるようにという配慮も含まれているようだ。
しかし当然、重度のストーカーである蒼真の目的はそれだけではない。連絡先を交換するためのわずかな時間に、スマホの位置を追跡するための仕掛けを済ませてしまう…。
何も知らない藤子は、翌日の仕事で奇妙なひっかかりを覚えた。会社の先輩である柏木隆(前田公輝)が使っているデスクの付箋に書かれた、「君野印刷に訪問」という文字。なんとなく、先日届いた「君には失望したよ」という怪文書に筆跡が似ているように感じる。
夜更けの帰り道、後ろから気配を感じた藤子。最近のストーカー騒ぎで、聞こえてきた足音にも敏感になっている。足を速めた藤子だったが、そこに「おい」という声が聞こえてきた。さらに苛立たしそうな「おい」と続く声に、たまらず駆け出して道の角でへたりこむ藤子。振り返ると、そこには息を切らせてたたずむ柏木の姿が。
「なんで逃げんだよ」と怒りの表情を浮かべながら近づいてくる柏木。恐怖に震える藤子だが、その要件は「ウォシュレット!今回のホテル…なかった!」というクレームと出張のお土産を渡すことだった。
ストーカー犯が柏木ではという疑念が晴れて、ひと安心した藤子。しかしお土産を手に家へ帰った彼女を待っていたのは、上村浩平(森永悠希)だ。別支店の同僚で、以前飲み会で隣に座った程度の仲である上村。彼はアパートの入口に座り込み、バラの花束を抱えている。
立ち上がって笑顔を向けてくる上村の第一声は、「反省した?」という意外過ぎる言葉。「まだわかってないの?君に失望したよ」「隣の男だけじゃなくて同僚の男にまでヘラヘラして…君は他の女とは違うだろ」と意味不明な言葉ばかり並べる上村に、藤子は戸惑いを隠せない。
「だって、君が好きなのは僕だろ?あんなに優しくしてくれたじゃないか」という上村の言葉で思い出せるのは、飲み会で服に飲み物がかかった彼にハンカチを貸したことくらいだ。なんとか「勘違いされてると思います」と絞りだした藤子だったが、上村は徐々にヒートアップしていく。
持っていた花束を地面に叩きつけ、「なんでわからない!」と地団太を踏む上村。常軌を逸した振る舞いに、藤子は身の危険を感じて駆け出す。公園の茂みに隠れ、「なにかあったら、絶対に連絡してください」と声をかけてくれた蒼真の連絡先を表示させる。「藤子!どこ行った藤子!」と叫び続ける上村の声が近づいてくるなか、藤子はスマホを握りしめるのだった。