乃木から話を聞いた野崎は、バルカ共和国の過激派組織が日本にいる“モニター”を使って乃木に罪をかぶせたと考えた。モニターとは別名“スリーパー”とも言われている存在で、過激派集団に影響されて遠く離れた国で組織のために活動する人間のことを指す。この送金に関わった社内の人間、水上了(古屋呂敏)、宇佐美哲也(市川猿弥)、長野利彦(小日向文世)、原智彦(橋本さとし)、太田梨歩(飯沼愛)の中の一人が乃木をハメたモニターと断定。そして、バルカ共和国で誤送金の損失を回収するよりも、日本に帰ってハメた人物を見つけるほうが先決だと提言した。
そのためには、現地の警察官に囲まれている日本大使館を抜け出して、バルカ共和国の外に出て帰国しなければならない。バルカ共和国の外務大臣・ワニズ(河内大和)が、乃木たちを執拗に追いかけるチンギス(Barslkhagva Batbold)と共に身柄の引き渡しを要求するために日本大使館にやってきたが、駐バルカ共和国の日本大使・西岡英子(檀)は毅然とした態度でその要求を跳ね除けた。
地下トンネルを使う逃走経路を西岡が用意してくれたが、それは罠だった。しかし野崎はそういう事態も想定済みで、西岡の裏をかいて、大使館に戻って仲間のドラム(富栄ドラム)の協力を得て正面から脱出することに成功した。まさに“敵か味方か、味方か敵か”というキャッチコピー通り、誰を信じていいのか分からなくなる。
誤送金事件の首謀者も気になるが、第1話でザイールが自爆する前に言った「ヴィヴァン」という謎の言葉の意味も気になっていた。野崎もいろんな意味を考え、同じ公安の新庄浩太郎(竜星)も各国の言語を使って調べてみたが見つからなかった。
しかし、大使館で行われる交流会での警備の指示を行っている大使館職員のナジュム(Bruce Taylor)が発した中に“ヴィカン”という言葉があり、それが野崎に引っかかった。ナジュムは大使館の別館(BEKKAN)のことを言ったのだったが、野崎はそこから「BEBBAN」「BEPPAN」と推測し、ヴィヴァンは“別班”なのではないかという考えに至った。
“別班”とは、表立って公表されていない自衛隊の陰の諜報部隊を指す言葉だった。彼らは民間人に紛れて、国内外で諜報活動を行なっている、いわゆる“スパイ”。野崎の説明によると、自衛隊の中でも超一流の人材が集められていて、日本における国際的テロを未然に防いでいるという。
このドラマの性質上、意外な展開が多すぎるので“確定”とは断言できないが、これに関してはそういった組織・部隊がヴィヴァンにあたるものだと思われる。
本作における大きなキーワードの謎が明らかになったことで、まだまだ謎や不審な点は多いが一歩前進したと言えるだろう。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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