長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『探偵!ナイトスクープ』(毎週金曜夜11:17-、ABCテレビ)をチョイス。
そういえば『探偵!ナイトスクープ』って全然見たことがないじゃないか、とふと気付いてTVerで探してみると、5月19日(金)に放送された過去回を見つけ、『寝言がすごい人たちが一緒に寝たらどうなる?』という検証がやたらに面白そうなので再生してみたらやたらに面白かったのだが、まず再生してビックリしたのは、なんとオープニングが存在する!とにかくすぐ始まるというのが私にとっての現代テレビで、オープニングが新鮮に感じられる。しかも、そのオープニングというのが、役所のおじいちゃんが町内会向けに作ったような、安心感をもたらす仕上がりで、決して悪く言っているわけではなく、この、オシャレさとは距離を置いた無骨さがたまらない。その後の本編も、色気というものがまったく感じられない、ただただ最低限で見やすい編集が続いていく。これぞ深夜番組というような、騒がしいけど静かという、あの感覚。私はこれくらいが好みなので、気持ちよく見られた。
そして本編、一発目は『旧銀行の跡地の2階に、壁で囲まれた謎の空間がある』という魅力的な依頼。その謎の空間とは果たしてどのような場所であったかは是非本編を見ていただきたいのだが、何より良かったのは、放送局同士のバッティングだ。諸事情あって、この依頼には、『探偵!ナイトスクープ』に加え、『絶好調W』(MROテレビ)、『ふむふむ』(HAB北陸朝日放送)という3番組のロケが同時に行われるのである。それぞれの放送局の演者とディレクターにクルーたちが、同じ場に集い、同じ場を撮影する。『絶好調W』視点のカメラや、『ふむふむ』視点のカメラも交えながら進んでいく、こういうのはちょっと見たことがなく、新鮮で嬉しかった。私は、見たことがないものを見せてほしいのだ。
二つ目の依頼、『寝言がすごい人たちが一緒に寝たらどうなる?』は説明不要。マジで爆笑しながら見た。人の寝言は面白い、という共通認識。この間、友人の家に泊まったら、友人が「うわあっ、殺人鳩」という寝言を言っていた。あと、私が屁をこくたびに「なんだ!?」という寝言を言っていた。なんであんなに面白いんだろうか、寝言というのは…。
三つ目、『カベポスター永見とデートがしたい』に関しては、ちょっとガチというか、ヒューマンドラマであった。うお~~と思った。どちらにも感情移入ができてしまう。私から言えることといったらひとつ、カベポスター永見とデートできたら確かにまんざらでもないだろうという事だけだ。
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