映画「こんにちは、母さん」完成披露試写会が7月31日に都内で行われ、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、山田洋次監督が登壇した。山田監督にとって90本目となる本作。吉永が主演を務め、大泉、永野、寺尾聰、宮藤、田中、YOU、枝元萌らが出演。東京の下町で今この令和を生きる、等身大の家族を描いている。
大泉洋のボケからキャスト全員が回ることに
キャストは浴衣や和装でステージに登壇。冒頭のあいさつで、「せっかくのお召し物なので」と一周して帯を見せるようMCから促された吉永は「ワンって言うの?」と笑いを誘いつつ、照れ笑いを浮かべながら着物を披露した。
すると、次にマイクを取った大泉が、あいさつする前に自ら回り始め、MCから「回らなくて結構です」とツッコまれる。その後、永野も自身のあいさつ後に「では、一周回ります!」と満面の笑みで一回転。続けて宮藤、さらに田中まで一周して会場を沸かせた。
吉永の息子、永野の父親役を演じた大泉は、「吉永さんの息子役の私がいましてですね、さらに私から生まれた永野芽郁ちゃんがいます。吉永さんから永野芽郁ちゃんは分かる気がするんです。いったい何が起きて、ここの間にこれ(自分)が生まれたのかっていうのが分からないんです。映画の中でも“突然変異”という言葉で処理させていただいておりますけども」と自虐コメントで会場を笑いで包む。
「改めて吉永さんにお会いしますと、やっぱりどうして俺が生まれたんだと思うんですけど、この映画の中にいる昭夫(大泉)とそのお母さん(吉永)の関係を見ると、不思議とこれはもう親にしか見えないと思うので、どうぞ皆さん安心して見てください。山田監督が作りだした古き良き日本の姿だとは思うんですけど、もしかしたら若い人たちから見ると、どこか新しさも感じる、すごく斬新にも感じる映画でございました。山田監督の新たな挑戦を皆さんで見ていただければというふうに思っております」と、映画の魅力を伝えた。
永野芽郁、吉永小百合と初共演「すごく憧れを抱きました」
吉永、大泉とは今作が初共演となる永野は、「ああいうお父さんはいかがでしたか?」と質問されると、親子が衝突するシーンに触れ「でも、娘を演じた私からすると、やっぱり父だったり母だったりに対してのある種の甘えみたいなものはすごくあるので、大泉さんを前にするといつも以上に自分の気持ちが高ぶる瞬間もあればぶつけたくなったりもして、というのを大泉さんが全部受け止めてくださったので、すごく好きな父でした」と、父親役として、さらに役者としての大泉の印象を明かした。
一方、祖母役の吉永については「すごく光栄でしたし、実際に現場で吉永さんがご自身でミシンを動かされている姿を見させていただいて、なんだかもうその街で、その場所でいらっしゃるのが吉永さんなんだけど、本当におばあちゃんに見えて…。女優さんとして尊敬はもちろんありますけど、すごく憧れを抱きました」と語る。
「撮影が少し暮れたシーンを撮るときに、少し時間があったんですけど、そのときに吉永さんが『ちょっとおなか空いたら食べてね』って和菓子をくださったりとか、お手紙も頂いたりして。すごく気にかけて一緒にいてくださったので、大事に大事に食べました」と、撮影時の思い出をうれしそうに振り返っていた。
映画「こんにちは、母さん」は、9月1日(金)から全国で公開。