映画「こんにちは、母さん」ではどんな一面を見せるのか
吉永の123作目となる映画出演作「こんにちは、母さん」は、91歳の山田洋次監督にとって90作目の作品となった下町ヒューマンストーリー。予告編で登場する吉永は、着物に身を包んで恋に胸躍らせる姿を見せている。年齢に囚われず、華やかな着物に身を包んでロマンスグレーのおじさまと楽しげにデートする姿は“活き活きとする母”役そのものだ。さらに、職場や家族との関係性に疲れ果てた息子を愛情深く見つめる様子、見知った人々と一緒にテーブルを囲んで談笑する姿などが映し出されている。
吉永と山田監督のタッグ歴は「男はつらいよ」シリーズから始まり、実に約50年にもわたる。恋する乙女役でスター街道をひた走っていた頃から、心の機微を感じさせる豊かな演技で観客の心を打つ現代まで、長年知り尽くした仲だ。きっと同作でもキャリアの年輪が土台となった表現のグラデーション、往年のサユリストたちが歓喜の声を上げる新たな顔を見せてくれるに違いない。
つい先日の2023年8月には、映画「母と暮らせば」で息子を演じた二宮和也がMCを務めるバラエティ番組「ニノさんとあそぼ」(日本テレビ系)へ出演した吉永。初の“バラエティロケ”で穏やかにトークを繰り広げる姿は、「お茶目でかわいらしい」「想像以上にパワフルな人」と大きな話題になった。二宮らと番組恒例のゲームを楽しむ吉永を見て、長いキャリアを積んでもなお、まだ新しい引き出しがあること、そしてバラエティロケ「初」ということに驚きを感じた人も多いだろう。今や日本人の多くが知っている大女優だが、純愛や青春を演じてきた時代から祖母役を演じバラエティーにも出演する現在まで、“吉永小百合”という存在感は変わらずに、移りゆく時代・年代とともに、その変化に合わせた表現方法で新しい姿を見せてくれるからこそ、日本人の心に響き続けるのではないか。
CS放送局の衛星劇場では『映画「こんにちは、母さん」公開記念~吉永小百合出演作特集~』と題して、8月と9月に「朝を呼ぶ口笛」「キューポラのある街」「母べえ」「母と暮せば」など、吉永の出演映画を多数放送。8月31日(木)夜6:00から放送される「男はつらいよ 柴又慕情」の本編終了後と、9月1日(金)夜6:00から放送される「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の本編終了後には、映画公開当時の貴重なニュース映像が放送される。撮影中の吉永の様子など貴重な撮影風景が盛り込まれているので要チェックだ。
さらに、8月26日(土)他には映画「こんにちは、母さん」公開記念特番の放送も。吉永、共演者の大泉による対談や、キャスト陣のインタビュー、撮影現場のメイキング映像など、充実の内容となっているので、こちらもチェックしよう。
松竹