古川が中村倫也の印象を語る
――池井戸さんの作品や池井戸さん自身の魅力とは?
社会をテーマにしたり、金融ミステリーといった作品を多く手掛けているイメージです。勧善懲悪で、悪を成敗して、視聴者をスカっとさせるのが魅力の一つだと思っています。
なので、今回、「ハヤブサ消防団」で本格ミステリーを書かれたと聞いた時、「池井戸さんも本格ミステリーを書かれるのか」と驚いた記憶があります。
ただこのミステリーの中にも、池井戸さんらしい表現が多く盛り込まれています。例えば、落ちぶれた主人公の描き方や、消防団の皆さんが一致団結して熱いエネルギーを持ち、悪と戦っていく姿は、まさに池井戸さんの作品らしさを感じられると思います。
――主演の中村さんにはどのような印象をお持ちですか?
今までも知的な方だなという印象を抱いていたのですが、実際にお芝居をさせていただいて、「この人は本当に頭のいい方なのだな」と感じました。ユーモアもあり、現場の空気作りも本当にお上手で、尊敬しています。
狙って笑いを取りにいくようなわざとらしさが一切なく、ぼそっと何かを言ってその場を和ませてくれる気遣いができるすてきな方です。
――中村さんのどういった部分で「頭がいい方」「知的」というふうに思われましたか?
発言の一つ一つに感じます。二人のシーンもあるので、休憩中などにお話をさせていただく機会があるのですが、言葉のチョイスはもちろんのこと、世の中にあるもので知らない物はないのではないかと思うほど、なんでも知っていて、話題の引き出しが本当に多いです。
(中村と)僕もそんなに年齢は変わらないのですが、これほどまでにいろいろな角度から物事を見られる人に出会ったことはないですし、話すたびに頭がいい方だなと感じていました。