生瀬勝久、座長の中村倫也について「独特なお芝居をされる方」<ハヤブサ消防団>
生瀬が「ハヤブサ消防団」を通じて伝えたいことも明らかに
――主演の中村さんの印象や座長ぶりをお聞きしたいです。
今までも共演はあるのですが、お芝居を交わしたことがほとんどなかったんです。なので、今回が本当の本当に初めてでした。中村さんは、独特なお芝居をされる方です。
――独特なお芝居ですか?
独特ですね。何をもって独特なのかは個人的な感想なので、うまく説明もできませんし、うまい表現も出てきません(笑)。ただ僕にとって本当に独特なお芝居をされるんです。これはきっと、中村くんとお芝居をしてみないと分からないことなのかなと思います。
――ヒロインの川口春奈さんから演技について相談されたりすることはありましたか?
え…悩んでいるんですか?(笑)。僕は、相談されていないですね。
――第1話から台本を読ませていただいた時から、川口さんは難しい役どころだなという印象を受けたので、相談などを受けていたのかなと思っていました。
そうですね、撮影現場で女性一人なので、最初は入りづらかったはずです。川口さんは個人で動くことが多いので、残念ながら、なかなか同じシーンもないんです。
――ストーリー全体はどのようなお話だと思われましたか?
ミステリーですから、いろいろなことが発生しますし、予測ができない急展開もあったりするので、見ている方は楽しい作品だろうなと思いました(笑)。
演じている僕らはキャラクターとして「ハヤブサ消防団」の世界を生きています。なので、どうしてその事件が起きていているのかも分からないですし、誰が犯人かも分からないから疑心暗鬼になる。
もし僕らキャラクター側が全て分かっていたら、事件がすぐに解決しちゃいますし、作品自体を楽しめないですよね(笑)。
僕らが命を吹き込んでいるキャラクターたちが、大変な思いをすればするほど、視聴者の方がより楽しめる展開が訪れると思うので、最後まで賢作として一生懸命に生きたいと思います。
――池井戸さんとお会いしたかと思いますが、どのようなお話をされましたか?
とっても聡明(そうめい)な方でした。「銀行員でこういう方いらっしゃるな」というイメージのままですし、バンカーという言葉がぴったりでした。
――お会いする前と後で印象は変わりましたか?
先生の顔と作品がリンクするわけでもないので、大きな変化はないです。実際にお会いした時に、「そうなんだ」「そういう気持ちで小説を書いたんだ…!」と、「ハヤブサ消防団」という作品を書いた動機などを教えていただきました。
ここでも池井戸先生に教えていただいた話をお話したいのですが、先生と僕らだけの秘密です(笑)。
――(笑)。この作品を通じて、何を伝えたいですか?
地元の方にお聞きしたのですが、「消防団」になる方は本当に少なく、いつ何時、365日24時間、いつお呼びがかかるか分からないそうなんです。「消防団」はお仕事ではなく、ボランティア活動なんです。
本来であればやらなくてもいいですし、でもやらなくてもいいとなれば「消防団」に入った意味がないですし、「自分の村を守りたい」と気持ちが、突き動かしているというのがすごくすてきですよね。
「消防団」という存在はもっと知られるべきですし、参加している方々をねぎらってあげたいですし、皆さんにもねぎらってほしいと思います。
――私もこの作品で初めて「消防団」という存在がボランティアということを知りました。
僕も本当に知りませんでした。消防団の下にある英語をよく見たら「volunteer fireman…え!ボランティアなんだ」と驚きました。あれは英語ではなく、カタカナで書いた方がいいんじゃないかなと思いました。
そうでなければ、スルーしてしまいますし、その地域に暮らす方に消防団員の町への愛や思いが届かないままなので、なんとか目に付くようにしてほしいです。
横のつながりも縦のつながりも希薄の現代では難しいかもしれませんが、消防団ブームが起これば、もっと町や村に暮らすみんなが一致団結して、互いを思い合える生活できるようになるんじゃないかなと思います。