シリーズ化も目指して、今の時代だからこそ響く作品に
──今回、一人ミュージカルというチャレンジに挑む岡宮さんですが、初舞台からわずか5年ほどにして、2.5次元舞台にグランドミュージカル、今回のようなオリジナル作品と幅広く活躍されています。そんなご自身の現在地はどう感じていらっしゃいますか?
僕自身は2.5次元作品とグランドミュージカル、どっちも行き来したいと思っていて。この間ニューヨークに行ったのですが、ニューヨークの任天堂オフィシャルショップ(「Nintendo NY」)が大盛況だったんです。日本の任天堂ショップも国内外の人でいつも賑わっていますし。その様子を見て、日本のゲームや漫画、アニメが日本の強みとして世界に出ているなら、それを題材にしたミュージカルや舞台ももっともっと世界に広まるべきだと改めて感じるようになって。それを引っ張っていける存在になっていきたいと最近は思っています。同時に、輸入もののミュージカルも大好きなので、どちらも広めていけるような実力を持った俳優になりたい。そういう意味で、現在地としては、「まだまだだなと思うことがたくさんある」という段階です。
──今作も含め、岡宮さんは大きな作品や新たなチャレンジの主演に大抜擢されるという経験が多数おありかと思います。そういった挑戦に取り組む際に心がけていることを教えてください。
とにかくめっちゃワクワクします。僕は、選んでいただいたことには意味があるといつも思っていて。そう思うようになったきっかけは「ミュージカル『刀剣乱舞』」に出演したこと。すごく重要な役柄だったので「何で僕なんだろう」と悩んだこともあったんですよ。結局、答えは出ていないんですけど、その悩んだことも自分にとってはすごくいい財産になりましたし、それ以降「選ばれた意味が絶対にある」と思うようになりました。あとは単純に逆境が好きだからというのもあるのかな(笑)。最初の頃は特に「大抜擢」みたいな状況にプレッシャーも感じましたけど、そのプレッシャーや期待を力に変えて頑張ろうという気持ちがいつも原動力になっています。
──では、一人ミュージカルという新たな挑戦「BOOK OPERA クルム童話」を終えたとき、どのような成長をしていたいと思っていますか?
うわぁ、何だろう?「クルム童話」を続けられるような反響を目指したいというのが一番かな。拓馬さんの脚本を読ませていただいたときに「こういう作品がもっともっと世の中に届いたらいいな」と思ったんです。だから「また観たい」と思ってもらえるように一生懸命頑張りたい。それに「一人ミュージカル」ってなかなかないものだと思うので、新たなジャンルを作っていくという気持ちで取り組んでいきたいです。
──「クルム童話」をシリーズ化していきたいと。
はい。グリム童話をもとにするという考え方でいくと、お話自体は無限に作れると思うので。それに今回の「ケリナツス〜七匹目の仔山羊〜」は、すごく今の時代にコミットしたものだと感じていて。これまで続いてきた歴史ある作品の再演はもちろん続けていくべきだと思っているのですが、それと並行して、その時代だからこそ響く作品も必ずやらないといけないと僕は思っているんです。最近、映画「マイ・エレメント」を観たときに、改めてそう感じて。「クルム童話」もそういう作品になれると思う。だから今回、もし反響をいただいて今後も続けられることになったら、その時代に合ったメッセージを届ける場として、あり続けたいなと思っています。
──では最後に。今作を観劇するにあたって「おおかみと七ひきのこやぎ」を予習していったほうがいいなど、はありますか?
予習をしていたただくと100倍楽しめると思います!といっても本当にあらすじをさらってくるくらいで大丈夫です。基本的にはわかりやすいし、入り込みやすいとは思うので、ぜひ皆さん劇場に来てください!
■取材・文/小林千絵
BOOK OPERA クルム童話『ケリナツス〜七匹目の仔山羊〜』
2023年12月7日(木)~17日(日) 東京・池袋 Mixalive TOKYO 6F Theater Mixa公式サイト
https://s-size.co.jp/stage-info/stage/kurumu-st/
公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/BO_Kurumus_ft
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発売日: 2023/06/21