鈴木亮平、黒木華との共演は「みなさん、背中でいろいろ見せてくれている」
――教師を演じている鈴木亮平さんや黒木華さんとのシーンも多いと思いますが、印象に残っていることはありますか?
菅生:僕たちとのシーンで、僕らの動きがまとまっていないとき、亮平さんがさらりと監督さんに、「球児たちはこういう感じでいいですか?」と聞いてくれたりして。ちょっとしたことでも気づいてくださるのは本当にすごいなと思います。
兵頭:僕は鈴木さんと2人のシーンも結構あって…。そんなとき、台本には書いていないことも想像し、共有してくださるんですよ。「僕がここにいるのはこういうことがあっただろうから」とか。そういう裏まで考え、伝えてくれることに感動しました。そしてそんな全てにこだわった上であんなにナチュラルな演技をしているなんて…。実は本読みのとき、鈴木さんは台詞を自分の言葉に直して脚本家の方に見せられていたんですよ。それを本読みのときにされていることもすごいですし、だからこそ台詞がリアルな言葉として聞こえるんだと教えてもらった気がします。毎回驚かされ、勉強させて頂いています。
菅生:黒木さんも同じだよね。台詞に聞こえない。
奥野:本当にみなさん、なんだこの説得力は?と思うくらい自然で。台本通りなのに本当にちょっとした変化で台詞を面白くしている。そういう姿を見ていたら、僕たちはいつになったらこうなれるんだろう…とすごく遠く感じています。
中沢:黒木さんで印象的だったのは、テストでOKが出て本番をしないというときがあって、スタッフが黒木さんに「大丈夫ですか?」って聞いたら、「私はいつも100%やっているんで大丈夫です」って答えていて…。もちろん役者としてそれが当たり前なんだけど、改めてそれを言葉にしている姿を見てすごいなって。
奥野:サラッと言うよね。
菅生:みなさん、背中でいろいろ見せてくれている現場です。
塚原さんがダッシュで僕たちの方に来てくれるときはワクワクする
――今回は、「最愛」(2021年、TBS系)などでメガホンをとった塚原あゆ子さんが演出を担当していますね。塚原演出はいかがですか?
奥野:演出の際、「こう思うんだけどどうですか?」って投げかけてくれるのがうれしくて。なるべく自由に芝居をさせてくれるスタンスがすごくステキだと思います。塚原さんがダッシュで僕たちの方に来てくれるときは、ちょっとワクワクするというか。何を話してくれるんだろう?って気になります。
兵頭:1人1人の役を愛してくれているよね。だからこそ塚原さんのことを信頼できる。僕らが思いつかないことのヒントをくれたりするんですが、これが答えでないのもいい。
奥野:塚原さんの言葉って腑に落ちるんだよね。
菅生:「こうしてください」でなく、「ここの気持ちってこうなのかな?」と一緒に考えてくださるのもうれしい。自分たちが成長させてもらっていると感じる瞬間がたくさんある。
中沢:その場で感じたことを大切にしてくれるよね。どうしてもスタートがかかると、撮られているという意識が働いてしまって表情が硬くなってしまうけど、そういうときはダッシュで駆けてきてくれて、「今、こうして話している表情の方がステキだよ」と言って緊張をほぐしてくれて。本当に助けられていることばかりです。
兵頭:あとセットの細かいこだわりもすごくない?どこの引き出しを開けても何かが入っているし、冷蔵庫の中なんて飲みかけの麦茶が入っていたりする。そして、そういうセットが映り込んだとき、塚原さんはスタッフさんの名前を呼んで、このセットのここがすごい!と声に出してくれるんですよ。そういう空気感がすごくステキです。
奥野:どの部門の人に対してもリスペクトしていて。みんな塚原さんのことが大好きです。
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